マイナーチェンジでパワートレーンを大幅進化
かねてから出るとウワサされていた「RS」がマイナーチェンジを機に追加され、試乗することもできたのだが、まずはフィット全体のマイナーチェンジについてお伝えしていこう。ポイントはデザインの小変更とパワートレインの大進化だ。
グレード編成は「ネス(NESS)」に代わって「RS」が設定された以外、「ベーシック(BASIC)」を含め全5タイプがラインアップされるのは従来と同じで、内外装はそれぞれ個性がより際立たせられた。
外観ではフロントノーズを長く見せるようにフロントグリルまわりの形状をスマートに、スッキリとした印象に衣装変更されている。クロスオーバーSUVの要素を取り入れた異色の「クロスター(CROSSTAR)」はバンパー下部にシルバーのプロテクターを追加するなど、よりSUVらしい堅牢感が強化。インテリアでは、「ホーム(HOME)」と「リュクス(LUXE)」に「プレミアム〜」と名の付く上質な仕様がオプションで設定されたのが新しい。
走りについて、ハイブリッドのe:HEVは全車でトラクションモーターの出力を10kW(14ps)、発電を主担当として駆動も行うエンジンの出力を8kW(11ps)それぞれ上げてパフォーマンスの向上を図った。
これにより電動車ならではのレスポンスに磨きをかけるとともに、シフトアップの変速ポイントも高めて、より気持ちのよい加速感を実現しており、加えてエネルギーマネジメントの制御ロジックを徹底的にチューニングしたという。この効果は絶大で、瞬発力が格段に増していることが乗ると即座に体感できる。
一方のガソリンエンジンモデルは、排気量をこれまでの1.3Lから1.5Lに拡大し、基本性能の向上を図るとともに、より内燃エンジンならではの加速フィールを味わえるよう、CVTの制御を緻密にセットアップした。こちらもいずれ乗れる機会を楽しみにしたい。