ボルボの現行車において車名に“90”を冠するモデルはすなわち最上級を意味する。ここでは「90」の文字を与えられたセダン、ワゴン、SUVをテストドライブ。ボルボのフラッグシップモデル3台の魅力を改めて検証する。(Motor Magazine2022年12月号より)

ターボ+モーターでどの速度域でも力強く走る

今回の試乗車は3台ともに、2L直4ガソリンエンジンにターボチャージャーとISGMを組み合わせたPHEVのT8パワートレーンを搭載。その走りも着実に進化している。

画像: S90リチャージ アルティメット T8 AWD プラグインハイブリッド。日本では2021年9月から再導入というかたちで販売が始まった、ボルボのフラッグシップサルーンだ。

S90リチャージ アルティメット T8 AWD プラグインハイブリッド。日本では2021年9月から再導入というかたちで販売が始まった、ボルボのフラッグシップサルーンだ。

いずれも静かで力強く、なめらかな走りを味わえたことに加えて、最新モデルをドライブして印象的だったのは、瞬発力の強さだ。発進から流れに乗れる車速に上げる時はもちろん、高速走行時でもモーターが後押ししてくれる感覚があり、どの速度域でもトルクが上乗せされる。

XC90を含め3台とも車両重量が2トンを超えているとは思えないほど、軽やかな加速感を実現していて、どんな道でも気持ちよく走ることができた。その感覚をきついカーブと登り坂が繰り返される箱根のワインディングロードでも味わえたのは驚いた。

この車格でエンジンが4気筒では物足りないと感じる人もいるかも知れないが、性能的にはまったく不満のない水準であることを強調しておきたい。音や振動など走りの質感も4気筒としてはこれ以上はないほど洗練されていたのも、おそらく90シリーズとして相応しい仕上がりとなるよう開発しているに違いない。

足まわりも時間の経過とともに進化していて、各車登場時よりも印象が良かった。車高の低いS90
とV90でも走りの性格はそれなりに違って、セオリーどおりセダンのS90は剛性感が高く、大柄なサイズながら走りに一体感がある。一方のV90は、ゆったりと乗れるのが持ち味。荷物の積載に合わせて足まわりが硬めにセッティングされているワゴンも世では見受けられるが、そうなっていない。

圧倒的に重くて全高が30cm以上も高いXC90も、それを踏まえてチューニングされているようで、走りに重々しさはない。むしろ走り出してしまえば、もっと小さなクルマに乗っているかのような感覚になる。ここにもボルボは何か独自の秘策を持っているようだ。

高い質感と使い勝手の良さ車内のIT化にも驚かされた

ボルボはインテリアの良さで選ばれるケースも少なくなく、とくに家庭でクルマ選びに権限を持つ女性のひと声で決まることが多いそうだが、それも納得がいく。ドイツ車にも日本車にも、あるいはイギリス車やアメリカ車にもない、独特の素材感とスカジナビアンデザインが織りなす空間は人にやさしく、とても居心地がよいものだ。

画像: XC90リチャージ アルティメット T8 AWD プラグインハイブリッド。3列目シートを備える広い室内を持つ一方で、全長は5m以下に押さえられていて実は扱いやすい。

XC90リチャージ アルティメット T8 AWD プラグインハイブリッド。3列目シートを備える広い室内を持つ一方で、全長は5m以下に押さえられていて実は扱いやすい。

さらに、独自の車内自動換気機能を備えた「Clean Zone -アドバンストエアクオリティシステム」が、微粒子状物質を除去し、PM2.5粒子を車外に排出して、車内の空気を良好にして快適に保ってくれる。アドバンストエアクリーナーも採用される。

新インフォテイメントシステムは、ボルボの最新モデルらしく、Google と共同で開発されており「OK、グーグル!」と呼びかければ、地図検索をはじめ、オーディオや空調等を操作したり、天気予報やニュースを聞いたり、自宅のIoT家電と連動させたりできるほか、PHEV用に特別に開発された機能も備えていて、充電ステーションを含むルートの計画や、出発前に空調を自宅で設定するといったこともできる。

タッチコントロール機能を備えた9インチサイズのセンターディスプレイで車両のほとんどの機能を直感的に操作できるようにされているのも、先進的かる合理的でよい。

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