エンジンはM3/M4と同じS58型
2015年に登場した初代のM2は、後輪駆動の1シリーズ(F87)クーペに直列6気筒エンジンを押し込んだハイパースポーツモデルで、本来はM1と呼ばれるべきであった。しかし伝統のミッドシップスポーツカーと同じ名前を掲げるわけには行かず、M2として発売された。
![画像: ダッシュボードの半分以上にわたるカーブドワイドスクリーン。 OSは最新のBMWシステム8だが、M専用の内容となる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2022/11/26/9cac6619bcf0236d4098249096cf87d595044b30.jpg)
ダッシュボードの半分以上にわたるカーブドワイドスクリーン。 OSは最新のBMWシステム8だが、M専用の内容となる。
19年からはベースモデルの1シリーズが前輪駆動となり、その去就が心配されてきた。しかし、21年、後輪駆動のプラットフォームCLARをベースにした2シリーズクーペがフルモデルチェンジを行ったことでM2の継続も約束されていた。そして今回、2世代目となる新型M2(G87)が誕生した。
ミュンヘン郊外のスタジオで最初に注目したのはキドニーグリルだが、新型M2は兄貴分のM3やM4とは異なる小さめなキドニーが与えられており、個人的にはホッとした。しかし2シリーズとは違って変形5角形で、水平のルーバーを持っている。その下には大型化された角型のエアインテークが広がる。
リアデザインも非常に特徴的でエアスプリッターを持ったトランクリッド、そして大きく広がったリアフェンダーの後端はリフレクターが嵌め込まれたダミーディフューザーが目を引く。スタジオに用意されたM2に装備されていたオプションのビジブルカーボンルーフは約6kgの軽量化が約束されている。
E36型M3を凌ぐボディサイズに成長
ボディサイズは全長が4.58m、全幅は1.89m、全高は1.40mと旧型のM2と比べわずかに大きくなっている。ちなみに00年に登場したM3(E46)よりも10cm長く、8㎝幅広いサイズだ。
![画像: 460ps/550Nmを発生するS58型の3L直6DOHCツインターボエンジンに、8速ATまたは6速MTという組み合わせ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2022/11/26/a4034211cd53180628f422e02583d4bc619c23b4.jpg)
460ps/550Nmを発生するS58型の3L直6DOHCツインターボエンジンに、8速ATまたは6速MTという組み合わせ。
パワードームを持つボンネットの下にはM3/M4と同じS58型エンジンを搭載、最高出力460ps、最大トルク550Nmを発生する。この直6エンジンのパワーはZF製の8速AT、(オプションの6速MT)で後輪に伝達され、ダイナミック性能は0→100km/h加速4.1秒(8速AT)、最高速度250km/hとなる。
スポーティな走りを実現させるために開発されたシャシは、ホイールベースの延長により旧モデルよりも快適性を確保。このシャシの正しい働きを可能にするためにボディ剛性は2シリーズよりも大きくアップされている。
新型M2の生産はメキシコのサン・ルイ・ポトシー工場で行われ、ドイツでの価格は19%の付加価値
と税込みで7万2800ユーロ(約1060万円)と現行M3より1万3000ユーロ(約190万円)安い。日本での発売は23年4月になる予定だが、価格の発表はまだ行われていない。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)
![画像: リアフェンダーはびときわワイド。285/30ZR20の大径タイヤを履きこなす。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2022/11/29/7e00ffd230a2a422a3109f6aa2f8c5f59844a6dd_xlarge.jpg)
リアフェンダーはびときわワイド。285/30ZR20の大径タイヤを履きこなす。
■BMW M2(欧州仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4580×1887×1403mm
●ホイールベース:2747mm
●車両重量:1775kg
●エンジン:直6 DOHCツインターボ
●総排気量:2993cc
●最高出力:338kW(480hp)/6250rpm
●最大トルク:550Nm/2650-5870rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・52L
●WLTPモード燃費:9.8-9.6L/100km
●タイヤサイズ:前275/35ZR19、後285/30ZR20