「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ ヴィッツ RS「G’s」だ。

これでRSより17万円高は、バーゲンプライスだ!?

画像: インパネのソフトパッドはカーボン調に変更されている。ステアリングとシフトノブは本革巻きの専用アイテム。

インパネのソフトパッドはカーボン調に変更されている。ステアリングとシフトノブは本革巻きの専用アイテム。

まずは、乗ってみよう。205/45R17にインチアップされたタイヤは、BSのポテンザRE050。乗り味としては、ゴツンと一瞬硬さを伝えるものの、ヴィッツ本来が持つカドを感じさせないブッシュの上手な味わいが活かされており、ボディへの伝達は最小限にとどめられている。

専用チューニングを施したサスペンションは、大きな入力に対しても初期に動きがあって、その動きをダンパーがしっかりと押さえ込んでくれている。ノーマルのブッシュのフィールを活かしながら、締めるところはきっちりと抑える専用サスペンションのおかげで、ヴィッツ RSの魅力を引き上げてくれていることは確かだ。

ハンドリング的にも、コーナーでステアリングを切り増していったときのフロントの素直な動きが良い。パフォーマンスロッドや溶接スポット点数の追加などによるボディ補強がアンダーフロア側に集中し、タワーバーを採用していないことが幸いしてか、つっぱり感のない走りが楽しめる。オプションだが、ヘリカルLSDもフロントの穏やかな動きをジャマすることがなく、効率良く駆動力を伝達してくれる。粘り強く踏ん張りながら、旋回方向に速度を増していく感じは安心感もある。

従来のスポーツモデルは進化をアピールするばかりに硬さやシャープさばかりが顔をの覗かせるものが多かったが、このG'sは基本性能の良さを正常に進化させ、走りの幅と奥行きを拡大していた。内外装のクオリティの高さをみても出来は良く、ノーマルの17万円高で手に入れられるのは、バーゲンプライスといえるだろう。

画像: リアビューもルーフエンドのスポイラーや下側をディフューザー形状としたバンパーなどの専用パーツを装着。

リアビューもルーフエンドのスポイラーや下側をディフューザー形状としたバンパーなどの専用パーツを装着。

トヨタ ヴィッツ RS「G's」 主要諸元

●全長×全幅×全高:3980×1695×1490mm
●ホイールベース:2510mm
●車両重量:1035kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1496cc
●最高出力:80kW(109ps)/6000rpm
●最大トルク:138Nm(14.1kgm)/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・35L
●JC08モード燃費:17.2km/L
●タイヤサイズ:205/45R17
●当時の車両価格(税込):189万円

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