ドライバビリティを向上させる「2ピニオン電動パワーステアリング」を採用
衝突安全への進化もみせている。対前面衝突では、バンパービームを車両外側まで拡大。対車両の衝突事故において自車の衝突安全性だけでなく、相手側の乗員を守る性能(コンパティビリティ)が高められた。また、レガシィアウトバックと同様、実際の正面衝突事故を想定して、コンパティビリティを評価する新たな前面衝突試験「MPDB(Mobile Progressive Deformable Barrier)」の導入も行われている。
ステアリングは、応答遅れが少ないスポーティで上質なステアリングフィールを実現する2ピニオン電動パワーステアリングを採用。ドライバーのステアリング操作軸をモーターアシスト軸から分離した構造とし、操舵初期のフリクションを低減してくれ、リニアでなめらかなトルク伝達が図られている。
なお、操舵角に応じてステアリングのギア比が変化させ、低速時の取り回しの良さと高速走行時の直進安定性を両立させる「VGR(Variable Gear Ratio)」は継続採用されている。
制動関係では、優れた昇圧性能を持つ電動ブレーキブースターが用いられる。プリクラッシュブレーキで、自転車の急な飛び出しなどへの応答性が向上するとともに、全車速追従機能付クルーズコントロール使用時の、急な先行車の割り込みなどに対する素早い減速も実現しているという。
パワートレーンは、モーターアシストの軽快な走りが愉しめる「2.0L e-BOXER」を搭載。エンジンやCVT(リニアトロニック)にも振動や騒音を低減する改良を行われている。
広角単眼カメラを加え、さらにパフォーマンスアップの「アイサイト」
安全面では、4つのカメラ映像を合成して車両周囲360度を映し出す3Dビュー/トップビュー(デジタルマルチビューモニター)を採用。画面表示は11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイで行われる。
ハイ&ロービームランプ、ポジションランプに加えターンランプのLED化とともに、交差点での右左折時などに進行方向を照らす、LEDコーナリングランプも採用された。
安全を見守る「アイサイト」のステレオカメラユニットは、画角を従来型の約2倍と大幅に拡大。画像認識ソフトや制御ソフトを改良し、より広く遠い範囲まで認識できるようになったという。また、フロントガラス取り付け式に変更するとともに、レンズフードを採用しレンズに誤って触れることがない配慮も行われた。
加えて、低速での走行時に新型ステレオカメラよりも広角かつ、低速時での二輪車/歩行者を認識できる単眼カメラも新たに装備されている。これにより、プリクラッシュブレーキで対応できるシチュエーションを拡大し、歴代アイサイトとして最高の性能を実現したという。
パッケージングでは、室内空間は従来型同等のゆとりあるものとされ、荷室は従来型同等の大きな荷室開口部と必要十分な荷室容量を確保。リアシートは、6対4分割可倒式で、荷室を拡張できるとともに、大きな荷物や長尺物の搭載も可能だ。
■スバル インプレッサ(日本仕様プロトタイプ)主要諸元
●全長×全幅×全高:4475×1780×1515mm
●ホイールベース:2670mm
●エンジン:2L対向4DOHC直噴+モーター(e-BOXER)
●トランスミッション:CVT(リニアトロニック)
●ステアリング:ラック&ピニオン式
●サスペンション形式(前/後):ストラット独立懸架/ダブルウイッシュボーン式独立懸架
●ブレーキ(前/後):ベントレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:215/50R17