やはり話題の中心となるのはラグジュアリーを新たに定義したBMWの新型7シリーズであろう。(Motor Magazine2023年2月号より)
アグレッシブなフォルムで登場したBMW新型7シリーズ
価格に対して寛容でエンジン搭載の既存モデルとの複数台数所有も一般的と想定されるなど、ピュアEVを筆頭としたプラグインモデルを所有するに当たってのハードルが低い、いわゆる富裕層が主なターゲットと考えられる「ラグジュアリー」なモデル。
それゆえ、このセグメントに属するモデルは多くがピュアEVへの移行の動きを示し、逆に時の経過と共にバリエーション減少を余儀なくされているのがエンジン搭載モデルたちということになる。
そうした状況の中で、新たに何とも大胆なデザインのフロントマスクを採用したことで話題になっているのが、フルモデルチェンジを行って7代目へと世代交代したBMWの7シリーズだろう。照明で大型のキドニーグリルの縁が浮かび上がるアイコニックグローはこの7シリーズをより印象深いものにする。
日本に導入されるのは、48V方式のマイルドハイブリッドシステムを備えた3L直列6気筒のツインパワーターボ付きガソリンエンジンと、やはりツインパワーターボ付きの3L直列6気筒ディーゼルエンジンを、それぞれ8速ATと組み合わせたパワートレーンの持ち主だ。
A8は先進テクノロジーを搭載し大幅にアップデート
同じドイツ勢では、アウディが2021年末にフェイスリフトを行ったフラッグシップ『A8』シリーズの上陸開始もニュース。
底辺部分が拡大されクロームインサートが加えられてより存在感を高めたシングルフレームグリルや、マトリクスOLED光源を用いた表情豊かなリアコンビネーションランプの採用などでより高いプレステージ性を表現すると共に、後続車が2m以内に近づいた場合リアランプのOLEDすべてを点灯させて車間距離の警告を行うなど、先進の意匠に新しい機能性を持たせている点も興味深い。
さらに、路面や走行条件を先読みしサスペンションを瞬時に制御することで車両の姿勢変化を整える「プレディクティブアクティブサスペンション」のオプション設定も、見どころのひとつと言える。S8は4L V8ツインターボエンジンを搭載し、圧倒的なパフォーマンスを発揮する。
そのほかは、全長×全幅サイズが4940×1855mmと、フランスブランド車としては珍しく大きなボディサイズを持つ『DS9』も2022年の日本上陸。
このモデルは中国工場で生産され、主たるマーケットもこの国に置かれた異色のモデル。ターボ付きの1.6L直列4気筒ガソリンモデルと、これにモーターを組み込んだPHEVモデルの2タイプが設定されている。(文:河村康彦)