狭角V型エンジンを合わせたユニークなW型エンジン
ベントレーの、というよりは正確にはフォルクスワーゲン グループのW型エンジンは、狭角V型エンジンを2つ組み合わせたもので、シリンダーバンクは4つ備わる。つまりW12エンジンは、狭角V6エンジンをふたつV型に組み合わせている。このエンジンは、2001年の東京モーターショーにフォルクスワーゲンが出展したコンセプトカー「W12 ナルド」に初搭載された。
その後、フォルクスワーゲンのフェートンやトゥアレグ、アウディ A8など、フォルクスワーゲン グループの車両にW12エンジンは搭載された。ベントレーでは、2003年に発表された初代コンチネンタルGTからW12エンジンが搭載されている。また、ブガッティ ヴェイロンには狭角V8エンジンを組み合わせたW16エンジンが搭載された。フォルクスワーゲン グループで最後までW12エンジンを搭載していたのはベントレーだったが、ついに2024年4月でW12エンジンの生産を終了することになった。
ベントレーは「ビヨンド100」と呼ばれる戦略を通じ持続可能な未来に向けて加速しており、W12エンジンの生産終了はその一環となる。2030年までに全モデルラインを完全に電動化し、ベントレーは、CO2の車両平均排出量を0g/kmまで削減することを目指している。この戦略の一環としてベンテイガとフライングスパーにはハイブリッドモデルが導入され、これらのモデルは予想を上回る支持を受けている。
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2024年、W12エンジンの生産が終了すると、ベントレーの全モデル ラインナップにハイブリッド パワートレーンのオプションが用意される。そして、代表車種であるコンチネンタルGTに初めて搭載され、この20年間、比喩的にも文字どおりの意味でもベントレーを動かしてきたW12エンジンは、その歴史に幕を下ろすことになる。
ベントレー W12エンジンの最もパワフルなバージョンの開発作業は最近終了した。マリナーが製作するわずか18台のベントレー「バトゥール」に搭載される、この強力なエンジンは、究極のイテレーション(開発サイクル)により、最高出力は750ps、最大トルクは1000Nmを発生することが確定している。トルクの増大により、ベントレーらしい「トルクの山」は1750rpmから5000rpmまで続き、5500rpmで最大のパワーを発揮する。
非常に過酷な一連の耐久性テストを経て、改良されたバトゥール用のW12エンジンは、これまでと同様に信頼できることが証明されたため、これまでで最もパワフルなロードゴーイング ベントレーに搭載される。なお、バトゥールは既に全車売約済みだが、コンチネンタルGT、ベンテイガ、フライングスパーのスピードバージョン、コンチネンタルGT マリナー、フライングスパー マリナーに搭載される659ps版のW12エンジン搭載モデルは、引き続き限定数で注文することが可能だ。
最後のW12エンジンを搭載するこれらのスピードモデルおよびマリナーモデルは、人気になることが予想される。史上最後の12気筒ベントレーを手に入れたいと考えるカスタマーは、その受注終了時期が市場毎に異なるので、なるべく早く販売店に連絡して欲しいとベントレーはアナウンスしている。