クーペよりも軽快感は上。すべてが好印象
オープンにして走り出すと、ボディの剛性感の高さと、乗り心地のしなやかさにビックリ。その動きは日本で乗ったクーペのクーパーSよりもはるかに好印象。オープン化にあたり、フロントウインドーフレームにスチール製のロールオーバーバーが組み込まれている。車両重量もクーペのようにリアゲート(かなり重い)がないこともあり、約60kgも軽い。そのために軽快感はクーペよりも上なのだ。
オープンにした時の居住性も気持ちが良い。風の巻き込みも、150km/hオーバーでもサイドウインドーを上げておけば、長時間の走行が可能だ。頭上や膝に風を感じるが、耐えられないほどではなかった。一方、幌を閉めたときは簡素なキャンバストップにも関わらず、風切り音も少なく、エアコンの効きも十分。これなら日常の足としても使える。
ハンドリングも良かった。コーナーではRに合わせてハンドルを切り込めば、クルマはそのとおりにノーズの向きを変えていく。素直な動きだ。とくにタイトコーナーではスポーツカーのような動きを見せる。
現代のMINIは、最初にデビューしたハッチバックから、モデルが新しくなるたびに性能が進化していくのがよくわかる。その向上は留まることを知らないかのよう。クルマの楽しさを追求する、というコンセプトのクルマ造りは少しもブレることなく、魅力的なモデルを生み出している。おそらく、この先もド肝を抜くような展開を見せてくれるに違いない。このロードスターは、まだ中間点なのだ。
MINI クーパーS ロードスター 主要諸元
●全長×全幅×全高:3745×1685×1385mm
●ホイールベース:2465mm
●車両重量:1240kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1598cc
●最高出力:135kW(184ps)/5500rpm
●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1600-5000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●JC08モード燃費:17.6km/L
●タイヤサイズ:195/55R16
●当時の車両価格(税込):364万円