2010年2月、V50、V70に次ぐボルボの3番目の柱に成長したC30にビッグマイナーチェンジが施された。登場から2年半でのお化粧直しで、C30はどう進化したのか。ここでは日本上陸間もなく行われた試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年4月号より)

豊富なバリエーションから選択できるシートカラー

新しいC30はインテリアにも注目だ。ドアを開けて最初に視界に飛び込んでくる明るいカラーのシートは見ているだけで気持ちが高揚してくる。

もともとC30のシートには、豊富なバリエーションが用意されていたが、今回は新たな組み合わせ色も追加され選択肢が広がった。T-Tec/テキスタイル13色、本革9色から選べるシートは、特別オーダーのような雰囲気さえ持っている。こうしたことで自分らしさを表現することができるのも新しいC30のポイントなのだ。ちなみにT-Tecとはボルボがスポーツウェアからインスピレーションを得て開発した新素材で身体に心地よくフィットするという特徴を持つ。

画像: 2010年2月にビッグマイナーチェンジが施されて登場したボルボC30 2.0e Aktiv(アクティブ)。最高出力145ps、最大トルク185Nmの2L直4エンジンを搭載。

2010年2月にビッグマイナーチェンジが施されて登場したボルボC30 2.0e Aktiv(アクティブ)。最高出力145ps、最大トルク185Nmの2L直4エンジンを搭載。

ラインナップは、「2.0e Aktiv」と「T5 Rデザイン」の2タイプ。試乗車のボディカラーは、Aktivがオレンジフレームメタリック、T5がアイスホワイト。シートカラーは、前者がオフブラック/サンバーストオレンジ、後者がオフブラック/カルサイトクリームという組み合わせだ。

「2.0e Aktiv」のトランスミッションは、ボルボがパワーシフトと呼ぶ6速DCTを搭載するが、今回の改良ではクリープが強くなりトルコン式ATのフィーリングに近づいた。変速もスムーズで違和感も感じない。

2L直4エンジンは最高出力145ps、最大トルク185Nm。スペックだけみたらちょっと非力か・・・と思っていたが、それは思い違いでアクセルペダルの踏み込み量に忠実にパワーが出ている。その走りは「軽快」と表現してもいい。ドライバーの意思どおりにキビキビと走るクルマが乗っていて楽しくないはずがない。時間さえ許せば予定した試乗コースを外れ、もっと走り続けたいという気持ちになった。

ただ荒れた路面では乗り心地に少しゴツゴツしたものが感じられる場面もあったが、これは17インチタイヤの影響かもしれない。気になる人は標準の16インチタイヤのままがいいだろう。

「T5 Rデザイン」は、専用開発されたエアロパーツを装着したRデザインだ。よりスポーティなC30が欲しいならばこちらがいいだろう。試乗車は、18インチアルミホイールが装着されていたが、このホイールのデザインとカラーがT5に精悍な印象を増幅させている。

見られることを前提にしたその5本スポークの中には大きな迫力あるディスクローターが見えて、このクルマのスポーティさを視覚に訴えていた。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充 /写真:村西一海)

画像: こちらは最高出力230ps、最大トルク320Nmの2.5L直5ターボエンジンを搭載したC30 T5 R-DESIGN。

こちらは最高出力230ps、最大トルク320Nmの2.5L直5ターボエンジンを搭載したC30 T5 R-DESIGN。

ボルボ C30 2.0e Aktiv 主要諸元

●全長×全幅×全高:4265×1780×1430mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1380kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
●最大トルク:185Nm(18.9kgm)/4500rpm
●トランスミッション:6速DCT
●駆動方式:FF
●車両価格:295万円(2010年当時)

ボルボ C30 T5 Rデザイン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4265×1795×1430mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1430kg
●エンジン:直5DOHCターボ
●排気量:2521cc
●最高出力:169kW(230ps)/5000rpm
●最大トルク:320Nm(32.6kgm)/1500-5000rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:389万円(2010年当時)

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