2023年5月の正式発売開始に先駆けて、三菱自動車工業株式会社が新型軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」の一般向け発表イベントを4月8日に開催。それに合わせる形で、メディア向けの事前撮影会を実施した。開発の狙いなどとともに、その魅力をじっくり検証してみたい。

さながら「いたずら好きのやんちゃ坊主」は、どうしたって憎めない

デリカミニは、2023年1月13日からすでに予約注文が始まっている。2022年11月のスペシャルサイトにおけるお披露目を皮切りに、東京オートサロン、大阪オートメッセへの参考出品、4月8日には一般向けの発表イベントを実施するなど、このクルマに対する三菱の期待感は非常に大きいようだ。

画像: デリカミニ T Premium 4WD(ボディカラー:アッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ)。全長×全幅は、日本の軽規格いっぱいの3395×1475mmに収められているが、全高は2WDモデルで1800mm、4WDで1830mmに達する。兄弟車であるeKクロススペースよりも、デリカミニのほうが20~30mmほど背が高い。

デリカミニ T Premium 4WD(ボディカラー:アッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ)。全長×全幅は、日本の軽規格いっぱいの3395×1475mmに収められているが、全高は2WDモデルで1800mm、4WDで1830mmに達する。兄弟車であるeKクロススペースよりも、デリカミニのほうが20~30mmほど背が高い。

イベント開催に向けて事前に実施されたメディア向け撮影会で、初めて実車をじっくり観察する機会を得たのだが、なるほど確かに野心的なニューフェイスだ。eKクロススペースの兄弟車にあたるが、その個性は明確に異なる。

たとえばデザイン性で言えば、「上級感を伴うタフネス」というデリカD:5譲りのDNAを表現する方向性が違う。顔立ちひとつとっても、アプローチは対照的だ。

eKクロススペースが、ダイナミックシールドを中心とした最新の三菱流デザイン言語をもとに、圧倒的な厳つさで「軽自動車らしからぬ」迫力をアピールしているのに対して、デリカミニはやや先祖返り気味の「デリカっぽさ」を採り入れて、よりクロスオーバー的なアクティブ感を強調するスタンスに立っているように思える。

興味深いのは、半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドランプを備えるデリカミニの方がより「愛嬌」が感じられること。デリカD:5と言うとワイルド&タフな男のクルマ的なイメージがあるけれど、「ミニ」の場合は小さいデリカとしてよりカジュアルな遊び心を、巧みに活用している。

画像: 短いノーズにスクエアなロングキャビンが組み合わされたシルエットに、大開口のリアスライドドアを備える機能性はeKスペースと共通。タイヤも同じ15インチだが、eKクロススペースが55扁平なのに対して、こちらは60扁平でより大径な仕様によってタフネス感を強調する。T Premium 4WD(ボディカラー:アッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ)。

短いノーズにスクエアなロングキャビンが組み合わされたシルエットに、大開口のリアスライドドアを備える機能性はeKスペースと共通。タイヤも同じ15インチだが、eKクロススペースが55扁平なのに対して、こちらは60扁平でより大径な仕様によってタフネス感を強調する。T Premium 4WD(ボディカラー:アッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ)。

担当した開発者によれば、実はそこにこそ、デリカミニの存在意義があるという。厳つさと上級感を極めたeKクロススペースに対して、デリカミニのたたずまいは、「いたずら好きのやんちゃ坊主」的なキャラクターをイメージしているのだそうだ。メインターゲットは子育て真っただ中のヤングファミリーとのことで、この「愛嬌」はとくに、主婦層には強力な武器になりうる。さらにご主人の方には「デリカ」から受け継ぐブランド力が、しっかり効果的に働く。

フロントバンパーとテールゲートガーニッシュに刻まれた立体的な「DELICA」ロゴや、光沢感のあるブラックのホイールアーチ、前後バンパー下部のスキッドプレートふうアレンジなど、見るからに元気いっぱい。どうしたって憎めそうにないキャラクターは、男女を問わず受け入れられることだろう。

三菱のDNAを「ミニ」化する手法としては、90年代半ばから10年ほど前まで製造されていた「パジェロミニ」の成功例に、則るものであることは間違いない。逆にデリカ×ミニ(軽自動車)がなぜこれまで誕生しなかったのか、今にして思えばそっちの方が不思議に思えてくるほど、デリカミニの存在感は魅力的だ。

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