雨や雪道などあらゆる路面状況で高い安定性を実現したシンメトリカル4WDはスバル車の魅力のひとつ。今回はスバルが誇る「総合雪国性能」を試すべく、アウトバックとWRX S4で雪解け間近の新潟を目指した。

全天候型スポーツモデルWRX S4の強みを発揮

悪路では後塵を拝したものの、ワインディング路に入るとS4のハンドリングの良さが際立つ。センターデフを介して45対55の前後駆動力配分を基本にしていることで、旋回初期からハンドル操作に忠実に高い駆動力のもと、進路と速度をキープ。加速態勢や低μ路に対しては前後駆動力配分を積極的にコントロールすることで4輪のグリップ力を最大限に発揮。駆動力と旋回力のバランスを高次元で保つことで、パワーを正確に伝達。速さを求めた味付けが行われている。正にモータースポーツで鍛え上げられた理想的な駆動力配分の強みを遺憾なく発揮してくれた。

画像: WRX S4は前後輪のトルク配分をセンターデフで不等配分するVTD-AWDで、回頭性と安定性を両立。

WRX S4は前後輪のトルク配分をセンターデフで不等配分するVTD-AWDで、回頭性と安定性を両立。

モータースポーツで鍛え上げられた4WD技術やボディワークは悪条件になるほどポテンシャルの高さを見せ、全天候型のスポーツモデルとしての魅力を味わえる。

トランスミッションは、変速比を加速性能を重視した低速寄りのワイドレンジ化とエンジンの協調制御で、SとS#のドライブモードでは8速固定シフトやブリッピング機能を可能にしたCVT。スバルパフォーマンスミッションと呼ばれるこのシステムによって、2.4L水平対向4気筒ターボエンジンが発生する275ps/275Nmのパワーを容易に引き出すことができている。

車高の高さを感じさせない素直な操作性と安定感

一方、アウトバックのパワーユニットは1.8L水平対向4気筒直噴ターボエンジンで、177ps/300Nmを発生。最新のユニットにふさわしく、その乗り味は低速域での粘り強さと、コンパクトユニットゆえの軽い吹け上がりが持ち味。2000rpm弱の領域から直噴ターボ特有の燃焼音が高まると同時に力強さが増し、その加速感は6000rpm付近まで持続する。

画像: 安心できるからどこまででも走って行きたくなる。

安心できるからどこまででも走って行きたくなる。

組み合わされるリニアトロニックCVTはマニュアルモードやパドルシフトを採用することで、エンジンパワーをメリハリよく引き出すとともに、ノーマルモードでもダイレクト感とスムーズさを両立。滑りやすい路面での駆動力維持によって、姿勢の乱れを抑えることにも一役買ってくれている。

ワインディング路での走りをあとにして、市街地に入るとこのノーマルモードの滑らかさと低速域での力強さに魅力を感じた。全開領域ではエンジン音にスバルらしさを見せてくれる一面もあったが、市街地ではストップゴーの連続でも滑らかさを失うことなく落ち着いた走りが味わえる。

当初、この大柄なボディに対して1.8Lという排気量には少なからず疑問を覚えたが、現実には従来型よりも低速域で力強く、伸びもあってパワーもついてきてくれる。リニアトロニックとの統合制御によって街乗りから高速道路まで幅広くカバーし、その疑問はまったくの杞憂に終わった。

帰路についてあらためて今回のドライブを思い返してみると、高い車高にもかかわらず、ロングドライブでの疲労の少なさや高速での安定感、ワインディング路などでの素直なハンドリングを可能にしたのは、むしろ1.8L化によるメリットの方が大きいのではないかという結論に至った。

先代モデルと比較すると100㎏近い重量増はあるものの、基本骨格を共有するS4と比較するとホイールベースで70mm長く、ボディサイズは全長で200mm、全幅50mmも大ぶりで、ガラス面積も多いのに重量差はほぼ大人ひとり分のわずか80増でしかない。

スバルが厳しい環境下で鍛え上げているのは4WD技術ばかりではない。ボディワークや重量バランス、パッケージングに至るまで最適解を求めた結果、悪路から高速性能まで高い要求を満たす2台のプレミアム4WDが生まれたのだ。ロングドライブがいつになく心地良かったのは、その恩恵に違いなく、都市圏の渋滞での記憶も頭の片隅から消え去っていた。(文:瀬在仁志/写真:永元秀和)

スバルWRX S4 STI SPORT R EX主要諸元

●全長×全幅×全高:4670×1825×1465mm
●ホイールベース:2675mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:対4DOHCターボ
●総排気量:2387cc
●最高出力:202kW(275ps)/5600rpm
●最大トルク:375Nm/2000-4800rpm
●トランスミッション:CVT(スバルパフォーマンストランスミッション)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・63L
●WLTCモード燃費:10.8km/L
●タイヤサイズ:245/45R18
●車両価格(税込):477万4000円

スバル レガシィ アウトバックX-BREAK EX主要諸元

●全長×全幅×全高:4870×1875×1670mm
●ホイールベース:2745mm
●車両重量:1680kg
●エンジン:対4DOHCターボ
●総排気量:1795cc
●最高出力:130kW(177ps)/5200-5600rpm
●最大トルク:300Nm/1600-3600rpm
●トランスミッション:CVT(リニアトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・63L
●WLTCモード燃費:13.0km/L
●タイヤサイズ:225/60R18
●車両価格(税込):414万4000円

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