エンツォがプロデュースした最後の市販フェラーリ

画像: 288GTOを起源とする3LのV8ツインターボを改良して478ps/58.8kgmを発生。わずか1.1トンのボディを320km/hオーバーまで加速させた。

288GTOを起源とする3LのV8ツインターボを改良して478ps/58.8kgmを発生。わずか1.1トンのボディを320km/hオーバーまで加速させた。

シャシはフェラーリの伝統に則ったチューブラー(鋼管)スペースフレームで、288GTO用をベースに補強材を追加し、コンポジットパーツを接着剤で貼り付けて剛性アップを図る。とはいえ、基本は1960年代の設計であり、さすがに構造上の古さは隠せなくなっていた。

リアミッドに縦置きされるドライサンプのV8エンジンは、288GTOやその進化版である288GTOエボルツィオーネから引き継ぎ、F40のプロトタイプで開発を進めたもの。総排気量は2936cc。90度V型8気筒 4バルブDOHCの圧縮比を7.7とし、1.1バールで過給する水冷のIHI製ターボチャージャーを2基装着した。点火系と燃料噴射の統合制御にウエーバーとマニエッティ マレリが共同開発したIAWを使うのも、当時のフェラーリの流儀だ。

最高出力は478psに達し、5速MTで後輪のみを駆動する。0→100km/h加速は4.1秒、0→200km/h加速は12.0秒、0→1000m加速は21.0秒と公表されていた。当時の世界最速となる324km/hを公称したF40は、総帥エンツォ・フェラーリが最後にプロデュースした市販フェラーリ車でもあった。日本仕様は当時の車両価格は4500万円で、その生産は1992年まで続き、288GTOの5倍以上になる1311台が生産されることになる。

画像: F40はエンツォ・フェラーリ自身が企画した最後のモデルであり、同社の40周年記念車でもあった。

F40はエンツォ・フェラーリ自身が企画した最後のモデルであり、同社の40周年記念車でもあった。

フェラーリ F40 主要諸元

●全長×全幅×全高:4430×1980×1130mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量:1100kg
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ
●総排気量:2936cc
●最高出力:478ps/7000rpm
●最大トルク:58.8kgm/4000rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・120L
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前245/40ZR17、後335/35ZR17

This article is a sponsored article by
''.