スバルらしい安心感のある、しっかり感をアピール

適度なカジュアル感とスポーティなたたずまい、優れた運動性能を発揮しながら普段使いにも優れたユーティリティ。あらゆる「インプレッサらしさ」を大幅に進化させているという。パワートレーンは2種類、グレードは3タイプ、それぞれにFFと4WDを設定する。
新型スバル「インプレッサ」のプロトタイプに、袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗した。
すでに発表・発売されているSUVのクロストレックとは、プラットフォームやシャシー、パワーユニットを共有する”兄弟車”であり、いずれもスバルのスタンダードモデルとして人気がある。今回のモデルチェンジではそれぞれの個性をより際立たせ、インプレッサは質実剛健で「スポーティ」な乗用車としてのカラーを強めた。
普段使いするクルマだけど、アウトドアに行く人もいるし、出かけた先で遊ぶ人もいる。そんな愉しさ、遊び心をデザインに落とし込んだという。トレンドを入れ込むというよりも、スバルらしい安心感のある、しっかり感をアピールする。
スポーティさやエレガントさが感じられるブラックベースのインテリアは、シンプルながらも実用的で快適な空間だ。インテリアも、もう少しクロストレックと差別化されていればなお良いが。

11.6インチマルチインフォメーションディスプレイを中心に、実用性と利便性を高めたインターフェイス。あくまでも自然体で過ごせる雰囲気を大切にしているという。(写真はST-H AWD)
今回はサーキット試乗とはいえ、けっして限界域で走ったわけではない。
ピットロードを出て1コーナーまで穏やかに加速していくと、40〜50km/hくらいまでですでに旧型との違いが明らかに体感できる。特に、駆動系の滑らかさが印象的だ。
パワーユニットは、2L直噴エンジン+モーター(e-BOXER)のハイブリッド。スタート加速はもっともモーターが活躍するシーンだが、旧型ではエンジン走行に切り替わる際のショックであったり、アクセルコントロールした際のギクシャク感、加速時のエンジンそのものの振動などが感じられたが、新型ではその辺りの音や振動がなく、たとえば信号待ちからの発進など、ごく日常的なシーンでも質感の向上が実感できるだろう。
エンジンやモーターを制御するソフトウェアの見直しや、エンジンマウントの材質変更など、細かい改良がトータルで効いている。

e-BOXERのハード系は基本従来型から共有しながらも、制御については全面刷新。パワー・トルクの継ぎ目を感じさせない、スムーズ感を重視している。エンジン本体も、さまざまな振動低減対策が施されている。