1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ランチア ラリー037だ。

ランチア ラリー037(LANCIA RALLY 037:1981-1984)

画像: リアウインドー越しにパワーユニットが見える。その美しいスタイリングは、ピニンファリーナのデザイン。

リアウインドー越しにパワーユニットが見える。その美しいスタイリングは、ピニンファリーナのデザイン。

ランチア ラリーはFIAのグループB車両規則に則って開発された。その名が示すとおり、目的は世界ラリー選手権(WRC)の制覇だった。正式な車名は単に「ラリー(RALLY)」なのだが、あまりにも一般的な名詞であることから、開発コードである「037」を付けて「ラリー037」とか「037ラリー」と呼ばれることが多い。「ストラダーレ」と付け加えられるのは、その公道仕様となる。

当時ランチアはすでにフィアット グループの傘下にあり、ラリー037の開発はフィアットのレーシング部門となっていたアバルトが中心に行っている。

ベースとなったモデルは、小型ミッドシップ スポーツカーのランチア ベータ モンテカルロ。ボディのデザインはピニンファリーナが担当し、ベータ モンテカルロの面影を残したエレガントなスタイリングが特徴的だった。

ラリーを目的として開発されたマシンは優美さよりも機能や性能が優先されるのは当然のことだが、そんな中でラリー037のスタイリングの美しさは際立っており、当時「最も美しいラリーカー」と評されている。

スーパーチャージド DOHCをミッドシップ搭載したRWD

画像: ルーツ式スーパーチャージャーを装着した2L 直4DOHCを縦置きに搭載し、5速MTで後輪を駆動する。

ルーツ式スーパーチャージャーを装着した2L 直4DOHCを縦置きに搭載し、5速MTで後輪を駆動する。

シャシは、ベータ モンテカルロの前後に新開発の鋼管スペースフレームを追加したもの。そのミッドに縦置き搭載されたのは、1970年代後半のWRCで活躍したフィアット 131アバルト ラリー用の2L 直4DOHCにスーパーチャージャーを装着したもの。ターボチャージャーではなくスーパーチャージャーをチョイスしたのは、ラリーでは低・中回転域のトルク特性が重視されたため。最高出力は205psにまでチューンされた。

当時すでにアウディ クワトロのような4WDが有利と目されていたグループBカーによるWRCだったが、ラリー037はミッドシップRWDを採用している。開発期間などの問題もあり、ターマック(舗装路)のラリーを重視してラリー037をつなぎのモデルとして投入し、その間に次のモデルの開発を目指したともいわれている。

だが実際には1983年のWRCではターマックのラリーに圧勝し、メイクスチャンピオンを勝ち取る。ラリー037は、グループB最後の2輪駆動チャンピオンマシンとなった。

ちなみに、日本でもガレーヂ伊太利屋によって正規輸入販売され、当時の車両価格は980万円だった。

画像: ラリーにおける整備性を重視して、カウルは前後とも写真のように大きく開く。リアのダンパーはツイン。

ラリーにおける整備性を重視して、カウルは前後とも写真のように大きく開く。リアのダンパーはツイン。

ランチア ラリー037 ストラダーレ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3915×1850×1245mm
●ホイールベース:2440mm
●車両重量:1170kg
●エンジン種類:直4 DOHC+スーパーチャージャー
●総排気量:1995cc
●最高出力:205p/7000rpm
●最大トルク:23.0kgm/5000rpm
●燃料:無鉛プレミアム
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前205/55R16、後225/50R16

画像: amzn.to
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