2023年6月10日、JR大阪駅まえのグランフロント大阪 うめきた広場で開催するイベント「EV&SDGsフェア2023 in Osaka」では、国産・輸入ブランドの電動車15台を展示。本記事ではここで展示するモデル、ハイブリッド車(HEV)のホンダ ZR-Vを紹介します。

モーターとエンジンを上手く協調させたホンダ独自のハイブリッド

画像: 2L 直4直噴エンジンに2モーターハイブリッドシステムを組み合わせるのはZR-Vのe:HEVだ。

2L 直4直噴エンジンに2モーターハイブリッドシステムを組み合わせるのはZR-Vのe:HEVだ。

国内では、ヴェゼルよりも上のクラスになるのがホンダZR-Vである。ベースとなるのはシビックでそのSUV版というイメージを持っても間違いない。そもそもシビックがとても完成度が高く、いいクルマなので、ZR-Vにも大きく期待していたのだが、結論から先に言えば、それが裏切られることはなかった。

試乗したのは、ホンダ独自のハイブリッドシステムを搭載したZR-V e:HEV Z FFモデルである。搭載するのが2L 直4直噴エンジンということもあり、キビキビとしたホンダらしい走りが味わえ、このあたりにもこだわりが感じられた。走り出しからスマートかつスムーズな所作で速度を乗せていくところも好印象だ。

用意されるドライブモードは、NORMAL、SPORT、ECON、SNOWの4つ。ワインディングロードを積極的に走るのであればSPORTを選ぶが、ただそんな時はエンジンサウンドはもう少し刺激的でもいいかもと感じられた。刺激的でもいいかもと感じられた。

モーターとエンジンはそれぞれ得意分野が分かれていて、たとえば街中などの低速域はモーター、そして高速道路はエンジンで走る方が効率がいい。そしてこれらふたつの動力源を上手く協調させたのがホンダのe:HEVなのである。

画像1: web.motormagazine.co.jp
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独自のハイブリッドシステムに加えて充実のADASも魅力

画像: センターコンソールを高い位置に設定しパーソナル感を出した。前方視界の良さも運転のしやすさに繋がる。

センターコンソールを高い位置に設定しパーソナル感を出した。前方視界の良さも運転のしやすさに繋がる。

余談だが、ホンダのハイブリッドシステムは、i-DCDやi-MMD、SH-AWDと名前にも強いこだわりを持っていたが、ユーザーにはあまり響かなかったと感じている。現在は、e:HEVが主流となっている。正式な読み方は、「イーエイチイーブイ」。ちょっと発声しずらく「イーヘブ」と言ってしまうのだが、さてこのe:HEVはどのぐらい浸透するのだろうか、ここにも注目したい。

e:HEVの話しに戻る。このシステムは、バッテリーからの電気でモーターを駆動する「EV」、エンジンの力で発電した電力でモーターを駆動する「ハイブリッド」、エンジンとタイヤを直結する「エンジン」の各モードがあり、それらが違和感を覚えることもなくとてもスムーズに切り替わる。

都内近郊を2時間ほど走ったが、もう少しモーターの出番、つまりEV走行できる領域が多くてもいいと感じた。そのあたりを開発者に訊くと、「それで大きなバッテリーを積んで運動性能がスポイルされてはホンダらしい走りができない」ということである。つまり、これが最適解ということだ。

ハイブリッドは、このクラスではとても贅沢な発電用と駆動用を搭載する2モーターハイブリッドシステムである。また減速の強さはメタル製減速セレクターと呼ばれるパドルで4段階から選べる。

このZR-Vには、駆動方式がFFと4WDが用意されている。降雪地域であればぜひ4WDを選びたいが、それ以外の地域では軽快なFFがお勧めである。

ADASは魅力だが「標準化」を進めれば満点だ

画像: 衝突軽減ブレーキや踏み間違い衝突軽減システム、路外逸脱抑制機能などサポカーSワイドに該当する安全運転支援機能を持つ。

衝突軽減ブレーキや踏み間違い衝突軽減システム、路外逸脱抑制機能などサポカーSワイドに該当する安全運転支援機能を持つ。

標準装備されているホンダセンシングにも触れたい。ホンダセンシングとは、ホンダの先進安全運転機能のことで、ZR-Vはそれがとても充実している。具体的には、衝突被害軽減ブレーキ/踏み間違い衝突軽減システム/歩行者事故低減ステアリング/路外逸脱抑制機能/渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール/車線維持支援システム/トラフィックジャムアシスト/先行車発進お知らせ機能/標識認識機能/オートハイビーム/ブラインドスポットインフォメーション/パーキングサポートシステムである。

特筆はこれらが全グレードに標準装備されていること。あとはXに設定のないアダプティブドライビングビーム、LEDアクティブコーナリングライト、Xにオプションの後退出庫時サポート、マルチビューカメラシステムが標準となれば満点のADASとなる。

これらも便利かつ安全に貢献する機能なのでぜひ標準化して欲しい。ZR-Vで謳う「ワンクラス上の快適性」や「安心感の提供」は、これらが標準化されることで本気度が違って見えるはずである。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:永元秀和)

画像2: web.motormagazine.co.jp
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ホンダ ZR-V e:HEV Z(FF) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4570×1840×1620mm
●ホイールベース:2655mm
●車両重量:1580kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1993cc
●最高出力:104kW(141ps)/6000rpm
●最大トルク:182Nm/4500rpm
●モーター最高出力:135kW(184ps)/5000-6000rpm
●モーター最大トルク:315Nm/0-2000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・57L
●WLTCモード燃費:22.0km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):389万9500円

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