※写真はタイカン ターボS。展示車両はタイカンGTS。
電動化に積極的なポルシェのピュアEVはタイカンから始まった
ポルシェ初のBEVがタイカンであるが、誰もが気になるのは、そこにポルシェらしさがあるのだろうか、だろう。実際に国際試乗会から国内での試乗も何度か行ってきたが、その印象は「これはまぎれもなくポルシェ」というものだった。
しかしエクステリアデザインを見ればひと目で誰もが、このスポーツカーはポルシェだと認めるだろう。しかし前述した印象は、この姿カタチだけからくるものではない。それは走り出してからの方がより強く感じられるのである。車両重量は2トンを超えるが、その重さがまったくネガになっていない軽快な走行フィールは、それこそポルシェ911カレラに通じるものがある。
右足を踏み込めば、衝撃的な加速Gをともない背中をドライバーズシートに押しつけられて走り出し、それがどこまでも加速し続けていくのである。
4ドアセダンであるが、911由来のルーフラインやテールランプなど、ポルシェでしか実現できないデザインと感じられる。写真はタイカン ターボS。
ターボSの最高出力は560kW（761ps）、最大トルク1050Nmを発生、0→100km／h加速は2.8秒である。（GTSは440kW／880Nm）これは正真正銘スーパーカーのスペックそのものだ。このパフォーマンスに不満などあるはずもない。
ハンドリングもポルシェらしい。それは意のまま感が強いということ。ハンドルを切った分だけノーズの向きが変わることも911との共通する利点だ。またドライバーが路面から受けるインフォメーションの強さもタイカンはまさしくポルシェの製品であることを強く感じるところだ。
満充電での航続距離は390-416km。またポルシェは、高出力の充電施設であるポルシェターボチャージングステーションを用意、そこで快適に充電することもできる。そしてポルシェは充電インフラにも積極的にコミット、PCA（プレミアムチャージングアライアンス）をアウディやフォルクスワーゲンと組んでいて、それらのディーラーで充電することも可能なのである。クルマのパフォーマンスだけではないメリットもタイカンには多いのである。
ポルシェ タイカン GTS 主要諸元
●全長×全幅×全高：4965×1965×1380mm
●ホイールベース：2900mm
●車両重量：2370kg
●パワートレーン：2モーター
●システム最高出力：380kW（440kW）※
●システム最大トルク：850Nm（880Nm）※
●最小回転サークル：11.7m
●駆動方式：4WD
●一充電走行距離：492-504km（WLTPモード）
●総電力量：93.4kWh
●タイヤサイズ：前245／45R20、後285／40R20
●車両価格：1841万円
