2010年4月、デビューから6年目を迎えた2代目BMW X5(E70)がマイナーチェンジされて登場した。折しもポルシェカイエンがフルモデルチェンジされたばかりで、プレミアムSUVセグメントが新しい時代を迎えようとしている時期であった。はたしてこの時BMW X5はどのような進化を見せていたのか。ここでは発表間もなくアメリカ・マイアミで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年6月号より)

高い走破性と乗り心地の良さが魅力

残念ながら、今回の試乗会ではテスト車両は3Lツインターボディーゼルを搭載したX5 xDrive40d しか用意されていなかった。

画像: インテリアは大きく変わっていないが、ストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロールや車線逸脱警告機能など、アシスタンスシステムが充実されている。

インテリアは大きく変わっていないが、ストップ&ゴー機能付きアクティブクルーズコントロールや車線逸脱警告機能など、アシスタンスシステムが充実されている。

4.4L V8と同じトルクを発生する3Lツインターボディーゼルのスタートはなかなか勇ましいもので、カタログ上のスタートから時速100kmまでの加速所要時間6.6秒というデータが控えめではないかと思われるほどであった。

そして8速オートマチックトランスミッションはとくに低速時におけるシフトのショックが非常に少なく、まるで無段変速のようなスムーズさである。しかしCVTのようなエンジンの回転を追いかけるような感覚や、回転を上げての急発進でもヒステリックなノイズは聞こえてこない。ゆえにX5でお客様を誘ってツアラーとして使ってもまったく違和感はない。

さらに驚いたのはアクティブステアリングのチューニングの変化であった。これまではどうしても軽過ぎ、あるいは切り過ぎ感が付きまとっていたのだが、今回のX5ではそのような違和感はまったくなく、最初はアクティブステアリングが装備されていないものと思ってしまったほどであった。BMWは日進月歩で新しい技術のリファインを行っているということがよくわかった。

ところでBMWは今回の試乗会でプログラムにマイアミの湿原におけるオフロード走行を用意していた。普通ではなかなかこのような走りの経験はできないが、こうしたセッションにおける走破性の高さと乗り心地の良さに、改めてX5が根強い人気を得ている秘密がわかった、良い機会であった。

ニューX5は2010年の4月からドイツを中心に欧州で発売が開始される。「日本市場での発売(xDrive35iとxDrive50i)はおそらく秋口になるだろう」と本社のマーケティングは語っている。(文:木村好宏)

BMW X5 xDrive40d 主要諸元

●全長×全幅×全高:4857×1933×1776mm
●ホイールベース:2933mm
●車両重量:2185kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:2973cc
●最高出力:225kW(306ps)/4400rpm
●最大トルク:600Nm/1500-2500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●最高速:236km/h
●0→100km/h加速:6.6秒
※EU準拠

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