ベースより20mmワイドトレッドの「オーバートレイル」仕様
「GX」は、7人乗り3列シートがベースとなるが、それに対して20mmワイド化したトレッドとブラックのアーチモールによる安定感あるスタンスなど、アウトドアでのタフさをより強調したデザインの5人乗り2列シートの「オーバートレイル」仕様もラインナップする。
路面に障害物の多いようなオフロード走行時の機能性を追求た別体のセンタープロテクションや、、ブラックのアウターミラーカバー、アウトサイドドアハンドルなどの専用アイテムがその存在感をアピールする。
「ボディカラーは、ソリッドのような色彩を持ちながら、メタリックの陰影により立体感を演出する新色の専用色「ムーンデザート」はじめ、バイトーンカラーも含む全6色がラインアップされる。インテリアカラーは、「ブラック」と明るいアースカラーの「シャトー」の2色となる。
シートデザインは、エクステリアのアンダーグリル形状をモチーフにデザインされたエンボスパターンや、肩口にはアクセントとしてオリーブカラーのバイオウルトラスエードRを採り入れるなど、専用の配色と加飾で特別感を醸し出している。
足元に履く専用の265/70R 18のオールテレーンタイヤは、タイヤメーカーと共同開発。サイドウォールは、泥濘路などでの脱出性向上などの機能とタフな印象のトレッドパターンを採用。
オウトツの強いスタイリングと背反する燃費性能においては、空力性能に影響のあるショルダー形状を最適化することで、風流れをコントロールすることで、対応している。
新GA-Fプラットフォームが上質な走りに貢献
新型「GX」には、本格オフローダーとしての高い耐久性・信頼性に寄与する新GA-Fプラットフォームの採用が行われた。
サイドレールとクロスメンバーの一部に、板厚や材質が異なる鋼材を適材適所に接合することで、重量を増やすことなく必要な強度と高い剛性の実現を目指された新GA-Fプラットフォームは、様々な環境下での上質な走りへの貢献が期待されている。
車両安定性に寄与するサスペンションは、フロントがハイマウントダブルウイッシュボーン式サスペンションで、リアにラテラルコントロールアーム付き4リンクリジッドサスペンションを採用、ともにジオメトリの最適化が図られている。特に伝統のリアリジッドサスペンションでは、悪路走破性を高めるために、ショックアブソーバーのレイアウト最適化やサスペンションの減衰効率のアップが行われている。
また、運転操作や路面状況に応じて、四輪のショックアブソーバーの減衰力を電子制御するAVSの設定も行われれ、アクチュエーターはより細かく減衰力を切り替えできるリニアソレノイド式とされた。大きなうねりと細かなオウトツが複合した路面においても、入力を低減させ車両姿勢を安定化する効果があるという。同時に、上下Gセンサー信号やステアリングセンサー信号、スピードセンサー信号等からの情報による、最適な減衰力制御もに行われている。
フォルムから磨き込まれた本格オフローダーとしての素養
悪路走破性向上ということでは、従来に比べ、アプローチアングルを5度立たせ、フロントオーバーハングを20mm短くされたことも指摘したい。そして運転に従来の油圧式パワーステアリングシステムから新規にモーターと減速機を用いた電動パワーステアリングが採用された。オフロード走行時の路面の障害物を乗り越えた際に発生するキックバックを低減する効果があるという。
アクセル・ブレーキ応答性にも手が加えられた。アクセル、ブレーキともに、極低速域からドライバーが意図した通りに応答することよう、ペダルのコントロール性の大幅向上が図られている。
ボディの高剛性強化も見過ごせない。走行時の安定した車両姿勢や優れた乗り心地などを実現するために、ドア開口部とロッカー下端のスポット溶接打点を増やしつつ、板金合わせ部分やフロアなどに構造用接着剤が使用されている。
さらに、ラジエーターサポート上部にクロスブレースを採用するほか、フードロック周りの剛性向上のために専用のリインフォースの追加や、Cピラー根本付近とホイールハウスをブレースで結合し、車両前後のバランスを整えなどの工夫が施されている。
それに歩調を合わせるようにステアリングのチューニングも行われている。EPSの採用により、低速から高速まで速度域に応じた取り回しのしやすい操舵感が目指されるとともに、シャフト、チューブの大径化などにより、従来型比ステアリング左右剛性が約50%向上した。優れた応答性と振動の抑制に効果が期待できる。
静粛性では、タイヤのNV性能を向上させつつ、フレーム車の特徴的構造であるボディとフレームをつなぐキャブマウントの特性の最適化で、路面からの入力のより一層の低減が図られた。エンジンノイズは、ダッシュインナーサイレンサーを刷新することで抑制。そして、ノイズの侵入経路となる微細な穴まで徹底的にシーリングしつつ、発泡材や吸遮音材が最適に配置するとともに、ボディ形状の最適化やアコースティックガラスの採用などにより、風切り音の低減が図られた。