「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、フォルクスワーゲン CCだ。
フォルクスワーゲン CC（2012年：マイナーチェンジ&車名変更）
フォルクスワーゲン パサートのスペシャルモデルだった「パサート CC」が、ビッグマイナーチェンジを機に「CC」のみに車名を変更。スタイルも、走りも、より上級かつ上質なものに進化したようだ。日本導入を前に南フランスのニースで行われた国際試乗会のレポートをお届けする。
ゴルフやポロが代表格の日本においては「何かあんまり見かけないかな・・・」と思われていた、フォルクスワーゲンでは初の4ドア クーペを謳うパサート CC。だがじつは、世界では2008年の発売以来4年の間に32万台というセールスを記録しているのだ。そんな、このモデルを母体に大幅なリファインが企てられ、その名は単に「CC」となった。
この期に及んで（？）、あえてパサートの名を外したのは、このモデルにはこの先より独自のブランド力を身につけてもらいたいという、生みの親であるフォルクスワーゲンの思いが込められているのだと解釈をしても良いだろう。
というわけで、基本の骨格やパッケージングはそのままに、内外装に化粧直しが施された「CC」の顔つきは、じつは日本導入が見送られた最上級モデルであるフェートンや、前述のように袂を分かつに至ったパサートの北米仕様モデルとの類似性を意識した、クロームを強調した横バー基調のフロントグリルに代表される、ゴージャスな印象が強いものに改められた。
加えて、ボディ下部をグルリと一周するクロームのアクセントや、LEDを用いて点灯時に特徴的なグラフィックをアピールするテールランプなど、フォルクスワーゲンの4ドア車の中にあっては、かなり自己顕示性が強いものになった。
