1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ホンダ NSX(初代)だ。

ホンダ NSX<初代>(HONDA NSX:1990-2006)

画像: 1995年の一部改良で追加設定された、デタッチャブル式のハードトップでオープン感覚も楽しめる「タイプT」。

1995年の一部改良で追加設定された、デタッチャブル式のハードトップでオープン感覚も楽しめる「タイプT」。

元号が昭和から平成に改まった1989年。ホンダは今までにないミッドシップスポーツカーのプロトタイプ「NS-X」を発表した。そして翌1990年の9月、そのプロトタイプは車名を「NSX」と改めて発売される。1960年代の名車、トヨタ 2000GT以来の本格的な国産スポーツカーの誕生の瞬間だった。

NSXが発売された当時の日本は、バブル景気のまっ只中。前年の1989年はR32 日産スカイラインGT-Rをはじめ、ユーノス ロードスター、トヨタ セルシオ、スバル レガシィ(いずれも初代)が発表され、「日本車のヴィンテージイヤー」といわれた年だった。

NSXはスポーツカーとして理想的なミッドシップとする一方で、当時の市販車としては世界でも類をみないオールアルミニウムのモノコックボディを採用するなど、常識にとらわれないクルマでもあった。その車両価格は、当時の国産車最高となる800万円(ATは60万円高)、その価格帯からもNSXは日本のスーパーカーと認識されるようになった。

画像: 2シーターのミッドシップRWDのレイアウトを採用し、他の何にも似ていないフォルムで独特の存在感を放った。

2シーターのミッドシップRWDのレイアウトを採用し、他の何にも似ていないフォルムで独特の存在感を放った。

NSXの開発にあたっては、ドイツのニュルブルクリンクなどでテスト走行が行われ、当時のF1ドライバーである中嶋悟やアイルトン・セナも参加している。開発当初はボディ剛性が足りずに苦労したというが、走り込みと造り込みを繰り返し行うことで、軽量かつ高剛性なオールアルミニウムのボディを完成させた。

搭載されたエンジンは、フラッグシップ セダンのレジェンド用の2.7L V6 SOHCをベースに、排気量を3Lに拡大し4バルブDOHCヘッドにVTECを組み込んだC30A型。自然吸気ながら最高出力は自主規制値の280ps(AT仕様は265ps)、最大トルクは30.0kgmを発生した。

1997年には、MT仕様車に排気量を3.2Lに拡大したC32B型エンジンを搭載。2001年にはビッグマイナーチェンジが行われ、ヘッドランプがリトラクタブル式から固定式に変更されている。また、サーキット走行に特化した「タイプR」やタルガトップの「タイプT」なども追加され、2005年末までに15年以上にわたり2万台近くが生産された。

ホンダ NSX(初代) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4430×1810×1170mm
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1350kg
●エンジン種類:60度V6 DOHC
●総排気量:2977cc
●最高出力:280ps/7300rpm
●最大トルク:30.0kgm/5400rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・70L
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前205/50ZR16、後225/50ZR16

画像: amzn.to
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