マクラーレンによる軽量化への強いこだわり
イギリス発のスーパースポーツカーブランドであるマクラーレンのモデルレンジは、パフォーマンスと快適性の両立を図った「GT」、パフォーマンス性を追求した「スーパーカー」、テクノロジーによりクルマの究極の姿を表現した「アルティメット」、この3つのシリーズによって構成されている。またこの中でもスーパーカーシリーズは電動化技術を導入したアルトゥーラと、軽量&パワフルさで純粋なスポーツ性を高めた720Sのふた手に分かれている。
今回、モデルレンジの中核をなし、60年の歴史を持つF1コンストラクターが鍛え抜いた軽量化テクノロジー、そして高性能エンジンを搭載した「750S」が日本市場向けに発表された。その名のとおり先述のスーパーカーシリーズ720Sの後継であり、いわゆるマイナーチェンジモデルとなる。
720Sやその前モデルにあたる650Sもそうだったように、750Sの名称は搭載するエンジンの最高出力に由来する。4L V8ツインターボのM840T型エンジンはブースト圧の向上、軽量ピストンやセカンダリーフューエルポンプの採用によりパワーは750ps/800Nmに高められている。
そして、ピュアスポーツモデルとして最も重要な要素とも言える軽量化も徹底的に行われた。が、そもそも軽量なカーボン製モノコック構造を採用する720Sのさらなる軽量化は相当に難しかったはず。それでも標準シートのカーボン化、軽量ホイールの開発、そしてメーターディスプレイやフロントウインドウ、エキゾーストパイプの軽量化、フロントバンパーのワンピース構造化などにより車両重量(乾燥重量・クーペ)を30kg軽減して1277kgとしている。
さらにトランスミッション、7速DCTのファイナルギア比をローギアード化することにより加速性能を向上、0→100km/h加速で2.8秒(720Sは2.9秒)、0→200km/h加速で7.2秒(同7.8秒)を達成している。ローギアード化によりトップスピードは332km/h(従来は341km/h)に低められているが、実際の使用領域を考えるとこの差は小さいはずだ。