2022年1月号でご好評いただいた「モーストファンカー2021」から約1年半が経過。「モーストファンカー2023」はその間に登場したニューモデルから本誌でおなじみの執筆陣と本誌編集長が「運転して楽しいクルマ」を選ぶという企画だ。はたしてもっとも乗って楽しいと乗る者に感じさせたクルマはどれだろうか。(Motor Magazine2023年9月号より)

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まるで2002ターボやE30 M3の再来:こもだきよし

画像: まるで2002ターボやE30 M3の再来:こもだきよし

こもだ:MハイパフォーマンスモデルでもっともコンパクトなM2は、M社が開発したM3、M4と同じS58B30と呼ばれる3L直6ツインターボエンジンを搭載。FRの走りを楽しめる一方、前50:後50の重量バランスによる安定性とトラクションの強さを発揮。しっかりした走りを楽しめるのは前後ともオーバーフェンダーを備えてタイヤを外に出したからで、標準の2シリーズクーペより全幅は60mm広い。朗報は6速MTを選べること。E30のM3や2002ターボのコンパクトなスポーツクーペを現代に甦らせたようなモデルだ。

石井昌道:先代モデルはとくにバランスが良く気に入っていたところ、新型はだいぶ速くなってしまったので、果たしてストリートで楽しめる範疇なのか心配していたのだが、ギリギリOKといったところだった。M4とほぼ同じエンジンを小柄なボディに詰め込んでいるから相当な速さではあるものの、驚くほど剛性感の高いボディに、フロントはがっしり&リアはしなやかなサスペンションで、自信を持ってアクセルペダルを踏んでいける。スポーツディファレンシャルの強さを細かく設定できるのも魅力であり、状況等に合わせてハンドリング特性を変更できる。

画像: M3/M4と同じ3L直6ツインターボを搭載。これに8速AT、または6速MTが組み合わされる。

M3/M4と同じ3L直6ツインターボを搭載。これに8速AT、または6速MTが組み合わされる。

運転して楽しいと感じる要素と演出が満載:岡本幸一郎

画像: 運転して楽しいと感じる要素と演出が満載:岡本幸一郎

岡本:運転して楽しいと感じる要素はいろいろあるが、M2のエンジンで魅せられた。直6ツインターボはレスポンス、トルク、吹け上がり、サウンドのどれも絶品だ。それを大きすぎない車体で味わえるのがうれしい。約1.7トンの車重を感じさせない、応答遅れのない素直なハンドリングも楽しい。想像より硬さを感じない乗り心地も好印象だ。もちろん6速MTが選べるのも高得点。ガシッとしていてコリッと入るシフトフィールのMTを操ることそのものに楽しさを覚える。MRも良いが、個人的には慣れ親しんだFRのフロントに安定的に荷重がかかって、リアに重量物がなくて流れても立て直しやすい感覚が好み。その点でもM2がベストだ。

渡辺敏史:BMWのドライビングプレジャーをもっともコンパクトに凝縮した銘柄として、初代M2は多くのファンに親しまれました。新しいM2はプラットフォームをCLAR系に刷新し、エンジンもS58型を搭載。さながらM3、M4のショートホイールベースモデルといえるほど中身が進化しました。走りは小型化で得たM4よりさらにキレのある応答性が印象的。日本仕様のMTは少しペダルオフセット感があるのが残念ですが、珠玉のM謹製直6をFRで愉しめるという贅沢が叶えられます。

画像: もっとも小柄なMモデルだが、大きく張り出した前後フェンダーなどがただならぬ“圧”を見る者に与える。

もっとも小柄なMモデルだが、大きく張り出した前後フェンダーなどがただならぬ“圧”を見る者に与える。

BMW M2主要諸元

●全長×全幅×全高:4580×1850×1410mm
●ホイールベース:2745mm
●車両重量:1730(1710)kg
●エンジン:直6DOHCツインターボ
●総排気量:2992cc
●最高出力:338kW(460ps)/6250rpm
●最大トルク:550Nm/2650-5870rpm
●トランスミッション:8速AT (6速MT)
●駆動方式:FR
●WLTCモード燃費:14.5.0(9.9)km/L
●タイヤサイズ:前275/35R19、後285/30R20
●車両価格(税込):958万円

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