「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マツダ CX-5(ディーゼル)だ。

4WD、2WD、どちらも甲乙つけがたいが・・・

画像: 乗り心地についてはFFは突き上げが若干強め。車両重量が重い4WDの方が少しマイルドな味付けだった。

乗り心地についてはFFは突き上げが若干強め。車両重量が重い4WDの方が少しマイルドな味付けだった。

吟味してジオメトリーが決められたサスペンションは、路面からの入力を巧みにサスペンションで吸収して乗り心地は快適だ。ゴツゴツした小さな路面からの突き上げは感じるものの、大きなショックはピタリと抑えてくれる。バネ上の動きは少なく好印象だ。しかも過敏でないステアリングフィールはリラックスしてハンドルを握っていられる。コーナリング中でも姿勢が安定していて、ギャップを通過しても姿勢の乱れは少ない。ダンピング制御は素晴らしい。

4WDシステムは、軽量、小型、低フリクション化を狙って開発された。2WD(FF)車と比較すると車両重量で約100kg増となっている。このスタンバイ4WDは、路面の状況によって後輪に駆動力を伝えるタイプ。2WDと比べてもネガな部分はなく、スムーズだ。

続いて、2WDのLパッケージに乗ってみた。4WDと比較すると軽いぶん回頭性が上がり、やや軽快だ。ただ大きな違いが感じられないのはベースの完成度が高いためだろう。もっとも重量配分と重量の絶対値から4WDの方が少しドッシリした感じがする。

4WDと2WDのいずれも完成度は高く、甲乙つけがたい。ディーゼルはイニシャルコストが高く、長距離移動する人でなければ燃料代が相殺されない可能性もある。それでも新しいディーゼルの魅力は大きい。個人的には、季節を問わずに長距離を走ることが多いので、路面を選ばないオールマイティ性能を持つ4WDが好み。ディーゼル+4WDの組合せには大きな魅力を感じた。

画像: 燃料噴射の制御技術の向上で圧縮比を14:1とディーゼルをしては考えられないほど低くでき、エンジン強度を従来のディーゼルほど上げず軽量化できた。

燃料噴射の制御技術の向上で圧縮比を14:1とディーゼルをしては考えられないほど低くでき、エンジン強度を従来のディーゼルほど上げず軽量化できた。

マツダ CX-5 XD 主要諸元

●全長×全幅×全高:4540×1840×1705mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1530kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼル+ターボ
●総排気量:2188cc
●最高出力:129kW(175ps)/4500rpm
●最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●燃料・タンク容量:軽油・58L
●JC08モード燃費:19.0km/L
●タイヤサイズ:225/65R17
●当時の車両価格(税込):279万円

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