1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、フェラーリ FFだ。

フェラーリ FF(FERRARI FF:2011-2016)

画像: 今までのフェラーリにはないシューティングブレークのボディスタイルだが、デザインを手がけたのはピニンファリーナだ。

今までのフェラーリにはないシューティングブレークのボディスタイルだが、デザインを手がけたのはピニンファリーナだ。

2011年初頭、フェラーリが発表したニューモデルの名は「FF」だった。ついにフェラーリも前輪駆動車を作り始めたのかと誤解した人もいたようだが、さにあらず。FFと書いて「フェラーリ フォー(Ferrari Four)」と読む。フォーは4人乗りとフェラーリ初の4輪駆動(4WD)を意味する。

スタイリングを担当したのはピニンファリーナだが、歴代の流麗なクーペやスパイダーなどとは異なり、フェラーリ初となるシューティングブレークのワゴンボディを採用した。リアシートは独立した2人乗りだが、大人が長時間乗っても問題ないスペースを確保。ラゲッジスペースは450Lとスポーツカーとしては十分な容量を誇り、しかも分割可倒式のリアシートバックを全倒すれば800Lまで拡大され、中央部のみを倒せばスキー板やゴルフバッグといった長尺物の積載も可能だった。

もちろんフェラーリが送り出すモデルゆえ、シューティングブレークといえども、それにふさわしい動力性能を備えていた。フロントにミッドシップ搭載されるパワーユニットは新開発のV型12気筒DOHCで、6262ccの排気量から最高出力は660ps、最大トルクは683Nmを発生。このパワースペックは当時の市販フェラーリとしては最強のもの。後輪への駆動は通常のFRと同じ方式だがフロントアクスル上にもPTU(動力伝達装置)を備え、適宜エンジンパワーを前輪にも伝達する独創的な4WD方式を採用している。

この4WDシステムはセンターデフがないため、一般的な4WDより50%も軽量化することができ、しかも低重心で適正な前後重量配分(前47:後53)も実現。公称のパフォーマンスは最高速は335km/h、0→100km/h加速は3.7秒。それでEU複合燃費では6.5km/Lという、6.3Lの12気筒としては十分な好燃費も達成していた。

デュアルゾーンエアコンやリア用インフォテインメントシステムなども用意され、大人4人での小旅行を可能にしながら、サーキット走行も楽しめるフェラーリ FFは、新たなラインアップとしての地位を確立してGTC4ルッソへと進化することになる。

画像: フロントミッドシップ搭載された新開発の6.3L V12エンジンは660psと683Nmと、当時の市販フェラーリ最強のスペックを誇る。

フロントミッドシップ搭載された新開発の6.3L V12エンジンは660psと683Nmと、当時の市販フェラーリ最強のスペックを誇る。

フェラーリ FF 主要諸元

●全長×全幅×全高:4907×1953×1379mm
●ホイールベース:2949mm
●車両重量:1790kg
●エンジン種類:65度V12 DOHC
●総排気量:6262cc
●最高出力:660ps/8000rpm
●最大トルク:683Nm/6000rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・91L
●トランスミッション:7速AMT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●タイヤサイズ:前245/35ZR20、後295/35ZR20

画像: amzn.to
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