2023年11月2日、トヨタは新型「クラウン セダン」を発表。同日より注文の受付を開始した。4車種あるうちの「クロスオーバー」「スポーツ」に続く販売開始で、あとは「エステート」を待つのみとなった。
オーソドックさを廃した水平基調の伸びやかなフォルム
2022年7月15日、世界に向けて新型「クラウン」が公開されたのは記憶に新しいところだ。「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」の4車種が用意されるが、このたびの「セダン」の販売開始にともない、未販売は「エステート」のみとなった。
さて、その新型「クラウン セダン」のエクステリアだが、FRプラットフォームを生かした水平基調の伸びやかなプロポーションが特長となる。これは、「オーソドックスなセダンはつくりたくない」というデザイナーたちの思いからという。
フロントフェースは、鋭さとワイド感を強調する「ハンマーヘッド」と、縦基調のパターンを施した大型台形グリルの「アンダープライオリティ」の組み合わせにより、トヨタのフラッグシップとしての存在感が強調される。リアには、ワイド感を強調した横一文字のテールランプの採用が行われた。
ボディカラーは、全6色を設定。ホワイト、シルバー、ブラックはよりフォーマルな印象に。メタルやグレー、ブロンズはパーソナルユースの印象を狙っている。インテリア、上質なブラックと華やかな空気感を演出するミッドブラウンの2色。
インテリアは落ち着いた空間を演出。ショーファーニーズにも対応
インテリアに目を向けてみよう。ポイントは、アイランドアーキテクチャーの強調だ。アイランドアーキテクチャーとは、ディスプレイやシフトなどの各種機能をひとくくりにして、島(アイランド)のように配置するデザインのことで、大型の杢目調パネルの採用により、インパネから左右のドアに連続する配置やコンソールが浮き出て見えるよう工夫されている。落ち着きのある室内空間を生み出す効果があるという。
光による演出も取り入れられてた。インパネ左右や前席足元、リアドアトリム左右には全64色に色替え可能なLED照明が間接光の役割を果たす。日本ならではの、行燈のような柔らかい灯りは、おもてなしの心の現れだそうだ。
ショーファーニーズへの対応も怠りない。ホイールベースを3000mmとすることで、後席のゆとりを創出するとともに、足元のスペースも広くされ、足抜きしやすいスムーズな乗り降りの実現を可能としている。もちろん、リラクゼーション機能や、日差しを遮る電動式サンシェードなど、極上の移動空間を味わえる数々のおもてなし装備の充実も抜かりない。
そして、サスペンションセッティングの最適化やAVSでの減衰力制御により、旋回時の揺れや荒れた路面の揺れを小さく抑える足回りとされていることも忘れてはいけない。