マセラティのフラッグシップ サルーン「クワトロポルテ」の初代がデビューしてから60周年を迎えた。そこで、6世代にわたる系譜を簡単にふり返ってみたい。

激動の社史の中で生き続けてきたクワトロポルテ

画像: 1994年、ガンディーニがデザインした4代目は当時マセラティの主力車種だったビトゥルボに似たスタイルで、歴代モデルでは最もコンパクトだった。

1994年、ガンディーニがデザインした4代目は当時マセラティの主力車種だったビトゥルボに似たスタイルで、歴代モデルでは最もコンパクトだった。

技術者、メカニック、テストドライバー、デザイナーなどチーム全員で設計図から公道へと送り出したクワトロポルテは、長い間、そして今もなお、モデナに基盤を置くマセラティのストーリーと、携わった多くの人々の人生における宝石のような存在であり続けている。

1968年にシトロエンの傘下におさまり、オイルショックなど多くの混乱の中で1974年に誕生した2代目クワトロポルテは、残念ながら未完成のうちにプロジェクトは終焉を迎え、わずか13台の生産で終わってしまった。だが、マセラティは1976年にデ・トマソ傘下となり、1979年に登場した3代目クワトロポルテは大成功をおさめた。さらに1993年にフィアットグループにおさまったマセラティは、翌1994年に4代目クワトロポルテを発表。激動の1990年代を締めくくるにふさわしい秀作と呼ばれた。

1998年にマセラティはフェラーリ傘下(とはいえ、フェラーリもフィアットの傘下だ)となり、4代目は2001年に生産を中止。2003年にデビューを飾った5代目クワトロポルテは過去のしがらみを断ち切り、クワトロポルテの原点に回帰し、大絶賛のもと数々のアワードを獲得した。そして現行モデルとなる6代目クワトロポルテは2013年に登場。最新のテクノロジーを備え、望みうる最高のモデルとなった。

6世代、60年という長い歴史の中でクワトロポルテには革新的なエンジニアリングが採用され、そしてその間には前述のように企業構造の大きな変化が何度もあった。だが、そのような中でも数え切れないほどの台数が生産され、確固たるエクスクルーシビティを保ち続けた。そんなマセラティのフラッグシップ サルーンが、クワトロポルテなのだ。

そして、このクワトロポルテもクーペのグラントゥーリズモ同様にV8エンジン搭載車は間もなく生産を終了する。7代目となる次期型はV6ツインターボのネットゥーノ エンジンに加え、100%電気自動車のフォルゴーレも設定されるはずだ。そして2023年、V8エンジンを搭載した現行型クワトロポルテを締めくくる最終バージョンとして、「ゼダ(Zeda)エディション」が発表された。(文:篠原政明)

画像: V8エンジンを搭載した現行型クワトロポルテの最終バージョンとなる「ゼダ(Zeda)エディション」。

V8エンジンを搭載した現行型クワトロポルテの最終バージョンとなる「ゼダ(Zeda)エディション」。

This article is a sponsored article by
''.