王者トヨタに残されたもうひとつの大きな目標
最終戦ラリー・ジャパンを前に、トヨタはすでに3つのすべてのタイトルを確定しているが、トヨタにとってはもうひとつ、地元イベントで優勝するという大きな目標が残されている。
ラリー・ジャパンは2004年から2010年にかけて北海道でグラベル(未舗装路)ラリーとして6回行われた後、開催が途絶えていたが、トヨタのWRCでの活躍もあって復活の気運が高まり、2020年に開催地をトヨタの地元である愛知県および岐阜県に移して行われることが決定した。
ところが、新型コロナウィルスの影響で2年連続で開催を断念。昨年ようやく12年ぶりのWRC開催にこぎつけた。
ラリーの中心となるサービスパークは愛知県豊田市の「トヨタスタジアム」に置かれ、スペシャルステージは愛知県の豊田市、岡崎市、新城市、そして岐阜県の中津川市、恵那市に設定。ステージの路面は、岡崎市の河川敷の一部区間を除けばすべてターマックで、山岳地帯の一般道が大部分を占めていた。
今年も全体的なフォーマットに大きな変更はない。新しいラリー・ジャパンのステージは、スーパーSSのステージを除くと、山岳地帯が大部分を占め、道幅が狭く、ツイスティなコーナーが連続する非常にテクニカルな設定。ドライバーはスピードとリズムの変化に上手く対応する必要があり、落ち葉や落ち枝で滑りやすい路面や低い気温にも注意が必要だ。また、昨年のように雨が降ると路面は非常に滑りやすくなり、かなりトリッキーなコンディションとなることも考えられる。
昨年のラリー・ジャパンはヒョンデが1-2フィニッシュ
昨年は勝田貴元が3位表彰台に上がったものの、トヨタ勢は不運に苦しめられた。金曜日朝のSS2でセバスチャン・オジェがパンクのため優勝争いから脱落すると、土曜日朝にはカッレ・ロバンペラもパンクに見舞われてこちらも優勝争いから脱落。終盤まで首位を快走していたエルフィン・エバンスも、土曜日午後にソフトタイヤ1本を選択する賭けに出たヒョンデのティエリー・ヌーヴィルに逆転を許し、さらには首位奪回を狙った日曜日朝にパンクして万事休す。結局、ヌーヴィルとオィット・タナックのヒョンデ勢に1-2フィニッシュを許すことになった。
【参考】2022年 WRC第13戦ラリー・ジャパン 結果
1位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20 N ラリー1)2h43m52.3
2位:O.タナック(ヒョンデ i20 N ラリー1)+1m11.1s
3位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m11.3s
4位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m23.6s
5位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+4m05.1s
6位:G.グリーンスミス(フォード プーマ ラリー1)+4m07.4s
7位:G.ミュンスター(ヒョンデ i20 N ラリー2)+7m50.8s
8位:T.スンニネン(ヒョンデ i20 N ラリー2)+8m12.4s
9位:E.リンドホルム(シュコダ ファビア ラリー2 エボ)+8m25.6s
10位: H.コバライネン(シュコダ・ファビア ラリー2エボ)+8m59.8s
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12位 K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+10m40.8ss
今年もトヨタはロバンペラ、エバンス、オジェ、勝田貴元の4台のGRヤリスで出場。チャンピオンシップのことを気にする必要がないため、4人のドライバーは自由にラリーを戦い、チームにとってのホームイベントで今シーズン9回目の優勝を目指す。