1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、アストンマーティン V12スピードスターだ。

アストンマーティン V12スピードスター(ASTON MARTIN V12 SPEEDSTER:2020〜2021)

画像: フロントマスクはアストンマーティン車らしく、伝統の凸型フロントグリルも踏襲。ノストリルと呼ばれるボンネットのデザインも独特。

フロントマスクはアストンマーティン車らしく、伝統の凸型フロントグリルも踏襲。ノストリルと呼ばれるボンネットのデザインも独特。

アストンマーティンは、コロナ禍で中止となった2020年のジュネーブ モーターショーでワールドプレミアする予定だった「V12スピードスター」を、ショーの開催時期に本国イギリスのゲイドンにある本社で発表した。製作は、アストンマーティンのパーソナライゼーション サービス部門である「Q by アストンマーティン」が手がける。シャシには最新の接着アルミニウム構造を採用し、DBS スーパーレッジェーラヴァンテージの要素も流用している。

F/A18 ジェット戦闘攻撃機からもインスパイアされた独特のスタイルのボディパネルは、ほとんどがカーボンファイバー製だ。このスタイリングには、1959年にル・マン24時間を制した「DB1」からアストンマーティン100周年記念のCC100スピードスター(2013年)に至る一連のモデルとの関連性が見られ、ミッドセクションにはDB3S(1953年)の趣も感じさせる。

ボディサイズなどのスペックは公開されていないが、ルーフもウインドスクリーンもなく、低く幅広いショルダー、シート後部の2つのハンプ、そしてドライバーとパッセンジャーを分離する背骨のようなパートが特徴的だ。フロントは大胆なグリルや独特のヘッドランプ、そして「ノストリル」と呼ばれるボンネットのデザインエレメントが見事なコントラストを描き出している。

インテリアでは、構造部材として機能するサテンカーボンファイバーと伝統のハンドクラフトサドルレザー、クローム、アルミニウム、3Dプリンターで作られたラバーなどが用いられている。

ロングノーズのフロント部に搭載されるパワーユニットは、車名のとおりV型12気筒。5.2LのDOHCにツインターボを装着し、最高出力700hpと最大トルク753Nm(いずれも推定値)を発生するという。トランスミッションはZF製の8速ATを組み合わせる。推定のパフォーマンスは、最高速が300km/h、0→100km/h加速が3.5秒とされている。

アストンマーティン V12スピードスターの生産台数は世界限定88台で、イギリス本国における車両本体価格(付加価値税を含む)は、76万5000ポンド(約1億600万円)からとなっている。2021年には、前述の「DBR1」をオマージュした特別仕様「DBR1 カスタム」も発表された。

画像: 1959年にル・マン24時間を制した「DB1」をオマージュした特別仕様「DBR1 カスタム」。

1959年にル・マン24時間を制した「DB1」をオマージュした特別仕様「DBR1 カスタム」。

画像: amzn.to
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