この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第25回目は、日産ブルーバードとのベストセラーを巡る死闘を制した三代目トヨペット・コロナの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

410型ブルーバードを抜き、国内のトップセラーに

フロアにはビードを設けることで強度を上げ、床下はアスファルトを主成分としたゴム質の制振材コーティングによって振動が伝わらないようにした。加えて遮音材やマットによっても振動の抑制の向上が図られている。

画像: この頃になるとシンプルなだけでなく質感も意識されている感じのダッシュボード。長方形のインパネの中央に160km/hまで刻まれたスピードメーターが備わる。

この頃になるとシンプルなだけでなく質感も意識されている感じのダッシュボード。長方形のインパネの中央に160km/hまで刻まれたスピードメーターが備わる。

サスペンションも改良された。これは旧型の“弱いコロナ”のイメージを払拭するものだった。具体的に説明すると、旧型ではサスペンションアームがボディに直接取り付けられていたのが弱さの一因だったため、フロントはサスペンションメンバーが装着され、ゴム類の取付部のゴムブッシュの容量を上げた。

リアサスペンションも、弱いというイメージを払拭するため強化されている。5枚重ねのリーフリジッド式を踏襲するが、旧型よりも50mm長いスプリングとしてバネ定数を低減させて乗り心地を優先させた。これで耐久性と乗り心地の両立が図られたのだ。

これらの改良点をアピールすべく発売直後、名神高速道路で「10万キロ連続高速走行テスト」を実施して高速耐久性能を訴求した。この公開テスト成功をバネに、発売4カ月後となる昭和40 (1965)年1月には販売台数で410型ブルーバードを抜き、国内のトップセラーになっている。

画像: コ ラ ム の3速MTが 標 準 仕 様だったが、輸出用の4速フルシンクロトランスミッションも設定し、より多くのユーザニーズに応えたのも魅力だった。

コ ラ ム の3速MTが 標 準 仕 様だったが、輸出用の4速フルシンクロトランスミッションも設定し、より多くのユーザニーズに応えたのも魅力だった。

トヨペット・コロナ デラックス( RT40)諸元

●全長×全幅×全高:4065×1550×1420mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:920kg
●エンジン型式・種類:2R型・直4OHV
●排気量:1490cc
●最高出力:70ps/5000rpm
●最大トルク:11.5kgm/2600rpm
●トランスミッション:3速MT
●タイヤサイズ:5.60-13 4P
●新車価格:64万4000円

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