安全性も重視した、3代目ゴルフ(1991〜1997)
1991年8月に登場した3代目ゴルフによって、フォルクスワーゲンは「安全」の新時代を先導した。たとえば、1992年からフロントエアバッグを最初にゴルフ シリーズに採用した。また、ボディデザインの分野における大きな進歩は、衝突特性の大幅な改善につながった。
3代目ゴルフでは、さまざまなマイルストーンとなるテクノロジーが登場したことも挙げておかなければならない。初の6気筒(狭角のV6)エンジン「VR6」、クルーズコントロール、ディーゼルエンジンのための初の酸化触媒コンバーター、初のディーゼル直噴エンジン、そして初のサイドエアバッグなど。3代目ゴルフは480万台が生産された後、1997年に4代目にバトンタッチする。
シリーズのスタイルアイコンとなった4代目ゴルフ(1997〜2003)
今日、4代目ゴルフは、そのモデルシリーズのスタイルアイコンとして画期的なものだったとデザインの専門家によって見なされている。それはシリーズを特徴づける、広いCピラーのデザインを強調して、1974年に登場した初代ゴルフとのギャップを埋めたからだ。しかもフォルクスワーゲンは、4代目ゴルフでセグメントにまったく新しい品質基準を設定した。同時に、ESP(エレクトロニック・スタビリゼーション・プログラム)の登場により、クルマの安全性が向上した。その後、ESPはドイツで最初のスタンダードになった。
2001年にはGTIの誕生25周年を記念して132kW(180ps)のゴルフGTIが登場。2002年にはガソリン ダイレクトインジェクション(FSI)を備えた最初のゴルフも登場し、ヘッドエアバッグが標準装備化された。2002年には、これまでで最もスポーティなゴルフが登場した。最高速度250km/hを誇る「R32」だ。これは今日のゴルフRのオリジナルバージョンといえる。2003年、フォルクスワーゲンではDSGと呼ばれるデュアルクラッチ トランスミッション(DCT)が初採用されたのは、このゴルフR32だった。同年までに490万台を生産した4代目ゴルフは、その生産ラインを5代目ゴルフに譲ることになる。(この項つづく)