2022年に登場したクロスオーバーで大きくイメージが変わったクラウンシリーズに、セダンとハッチバックのスポーツが加わった。いずれもかつてない強烈な個性が与えられており、クラウンの新たな歴史を刻む、そう確信できるモデルに仕上がっていた。今回はクラウン スポーツに試乗した模様をお伝えする。(Motor Magazine 2024年2月号より)

他車では違和感があった運転アシスト機能も改善されていた

画像: 4輪操舵により、走行時はクイックかつ正確なハンドリングを、駐車時などは小回りのしやすさを両立した。

4輪操舵により、走行時はクイックかつ正確なハンドリングを、駐車時などは小回りのしやすさを両立した。

周囲の状況を監視し、先読みして運転操作をサポートして危険を回避するPDA(プロアクティブドライビングアシスト)も、ひと足先に採用した車種に見受けられた、不意の介入感が薄れていた。あまり事情に詳しくない人が使っても、少しでも役に立つよう縁の下で巧く制御してくれているものと思って問題なさそうだ。

このあとエステートも登場するが、今回新生クラウンの中でも対照的と言えるスポーツと同時に試乗したセダンに触れて、方向性は違えどそれぞれが期待に大いに応えていると感じた。

クラウン スポーツは、クラウンとして見るとなかなか奇抜なクルマだが、だからこそこれまでのクラウンには関心のなかった層の目も向けさせることができるだろう。それぞれの“革新と挑戦”を非常によい形で実現していた。
(文:岡本幸一郎/写真:佐藤正巳)

■トヨタ クラウン スポーツ Z 主要諸元

●全長×全幅×全高:4720×1880×1565mm
●ホイールベース:2770mm
●車両重量:1810kg
●エンジン:直4DOHC
●総排気量:2487cc
●エンジン最高出力:137kW(186ps)/6000rpm
●エンジン最大トルク:221Nm(22.5kgm)/3600-5200rpm
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●WLTCモード燃費:21.3km/L
●モーター最高出力:前 88kW(119.6ps)/後 40kW(54.4ps)
●モーター最大トルク:前 202Nm(20.6kgm)/後 121Nm(12.3kgm)
●駆動用バッテリー 種類・容量:ニッケル水素・5.0Ah
●システム最高出力:172kW(234ps)
●トランスミッション:無段変速機
●駆動方式:4WD
●最小回転半径:5.4m
●サスペンション:前 ストラット/後 マルチリンク
●タイヤサイズ:235/45R21
●車両価格(税込):590万円

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