都市型ユーザーの使い方にもマッチする全高の低いSUV

全高が低いことのメリットは、まだある。常識的に考えて、全高が低ければ重心高も低くなる。重心高が低いと、コーナリング中にボディが傾くローリングも必然的に減少する。

画像: レヴォーグレイバックで初めて採用したブラック/アッシュ(カッパーステッチ)の内装カラーはほかのスバル車とはまた違った上質な印象を与えてくれる。

レヴォーグレイバックで初めて採用したブラック/アッシュ(カッパーステッチ)の内装カラーはほかのスバル車とはまた違った上質な印象を与えてくれる。

裏を返せば、重心高の高いSUVのなかにはこのローリングを抑えるためにサスペンションを硬め、結果として乗り心地が悪化している例が少なくない。

一方、「全高の低いSUV」はもともと重心高が低いからコーナリング中に踏ん張らせるためにサスペンションを固める必要性が低く、結果的に良好な乗り心地が得やすいことになる。

もちろん、重心高が低ければ、コーナリング時の安定性も高まる。重心が低い水平対向エンジンを積んでいれば、なおのことその傾向は強まるはずだ。

それでも、視点の高さや室内高に余裕があることを重視する場合には「全高の高いSUV」が選ばれるだろうが、個人的には、走りの性能や燃費性能で優位に立つ「全高の低いSUV」に強く惹かれる。

それはまた「雪道やオフロードを走る機会もあるけれど、普段は都市部での使用が中心」という都市型SUVユーザーの使い方にもマッチしているように思う。

画像: ベースとなったレヴォーグのデザインを活かしながら、SUVらしいたくましさも手に入れた。

ベースとなったレヴォーグのデザインを活かしながら、SUVらしいたくましさも手に入れた。

そんなスバルから登場した最新の「全高の低いSUV」がレヴォーグレイバックである。

レガシィツーリングワゴンの思想を受け継ぎながら、日本の道路環境に見合ったサイズで作り直されたレヴォーグは、2013年に誕生するとたちまち好評を博し、2020年には2代目にモデルチェンジ。

先ごろ誕生したレヴォーグレイバックは、この2代目レヴォーグをベースとしながら、最低地上高を145mmから200mmに引き上げて優れたオフロード性能を確保。さらに大径のオールシーズンタイヤを装着し、専用のフロントグリルやブラックのホイールアーチを盛りこむことでSUVらしさを演出している。

さらにインテリアはブラックとアッシュカラーを組み合わせたうえでカッパーステッチを添えることで上質さを表現。それでいてベース車両の価格は税込399万3000円(試乗車は429万円)とギリギリ300万円台に収めたバリューフォーマネーなモデルなのである。

柔らかいだけじゃない、バランスの良い足まわり

レイバックとともに街を走り始める。高速走行やコーナリング性能に重きを置いた結果、ソリッドでフラットな乗り心地となったレヴォーグに比べると、こちらは足まわりの動き方がいちだんとソフトで快適性は高い。

画像: さまざまなシチュエーションで試乗することで、レヴォーグレイバックの足まわりの良さを実感。

さまざまなシチュエーションで試乗することで、レヴォーグレイバックの足まわりの良さを実感。

とりわけ、余裕あるサスペンションストロークを生かして、大きな路面のうねりをフワリとやり過ごす際の心地よさは特筆に値する。それでいながら高速道路でもフラットな姿勢をおだやかに保ってくれるので、ロングツーリングも苦にならないはず。

しかも、オールシーズンタイヤを履いているにもかかわらず、ロードノイズもうまく抑え込まれているので静粛性は高い。もっとも、ここまでソフトな乗り心地だとワインディングロードでの安定性などに不安を抱かれるかもしれない。

事実、佐渡島のクローズドコースで行われたレイバックプロトタイプの試乗会では、大きなギャップを乗り越えた際にボディがふわりと軽く浮き上がる傾向が見られたが、その後、何らかの対策が施されたのか、今回は積極的にコーナーを攻めても安定した挙動を保ち続けた。

しかも、最低地上高が高めだからといってコーナーの進入で姿勢が落ち着くのを待つ必要も感じられない。この、どちらかといえば快適性重視だけれども、ハンドリング面でも妥協が見られない足まわりのバランスの取り方は、私の理想と極めて近いものだ。

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