いわゆる“アメ車”の代名詞として日本でも親しまれてきたシボレー カマロだが、現行型をもって一旦姿を消す。その最後を飾る限定車として登場したモデルが6.2L V8エンジンを搭載した「ファイナルエディション」だ。FR、大排気量、2ドアクーペという特徴を受け継ぐ旧き佳きアメリカンスポーツカーの魅力を改めて味わってきた。(MotorMagazine4月号より再構成)

試乗:50代半ばの筆者にとって「アメ車=V8」は不変

長い空白期間を経て2009年にデビューした5代目は、カマロの復活を歓迎する大勢のファンはもちろん、映画「トランスフォーマー」の主人公の愛車として登場したものだから、アメリカで一躍、大ヒットモデルとなった。

画像: 先代(5代目)のレトロモダンなエクステリアデザインを継承。センターストライプが入ったボディカラーはファイナルエディション専用だ。

先代(5代目)のレトロモダンなエクステリアデザインを継承。センターストライプが入ったボディカラーはファイナルエディション専用だ。

その発展型となる6代目は北米では2015年に登場し、日本には17年に導入された。ボディはよりマッシブになって、個人的にもとても気に入っていた。そんな筆者の大好物でもあるカマロの生産終了が決まり、日本向けに50台限定で「ファイナルエディション」が設定された。

いちファンとして少しでも次期型の情報があればまだ救われるのだが、具体的な話がまったくないので、期待よりも惜別の思いばかりが先だっているところだ・・・。

ともあれ、対面したファイナルエデョションは、やはりとても魅力的に映った。マイナーチェンジ後の迫力の増した顔面も好みだし、前後を貫く専用のセンターストライプもよく似合っている。

カマロにはかねてから、同世代のコルベットと共通性の高いV8が設定されてきたが、ファイナルエディションには453psに最高出力を抑えた「LT1」と呼ばれる6.2L V8が搭載される。

画像: いわゆるスモールブロックV8として「名機」の仲間入りを果たしたLT1ユニット。自然吸気エンジンならではの「豊かさ」が感じられる。

いわゆるスモールブロックV8として「名機」の仲間入りを果たしたLT1ユニット。自然吸気エンジンならではの「豊かさ」が感じられる。

OHVや2バルブを踏襲する一方で、可変バルブタイミングや直噴といった現代的な機構を積極的に採用しているのも特徴だ。

なお、ミッドシップになった最新のコルベットZ06は自然吸気としては最強を謳ってフラットプレーンクランクを採用するLT6(5.5L V6 DOHC)を搭載する。一方、カマロのLT1は従来どおり、より一般的なクロスプレーンとなる。

クルマに早熟だった現在50代半ばの筆者にとって「アメ車=V8」だ。カマロだってメインはV8で6気筒は廉価版という認識をずっと持っていた。ところが、販売的には後年ほどV8の比率が下がっていったそうだ。

現行型ではついに歴代初の4気筒が用意されて、V8が特別なものになっていったことに時代の変化を感じていたが、やっぱりカマロにはV8がよく似合う。

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