プジョーらしさを強調した現行型2008。ディーゼルの走りも好印象
プジョー初のコンパクト クロスオーバーSUVとして2008が登場したのは、2013年(日本発売は2014年)。初代はステーションワゴンとSUVとの中間のような、まさにクロスオーバー的なモデルだったが、2019年にフルモデルチェンジされた(日本発売は2020年)2代目は、よりSUVらしさを強めたスタイリングとなった。しかもBEVのe-2008も同時に発売された。
そして2023年にマイナーチェンジを受けた現行モデルとなる。プジョーを象徴するライオンのかぎ爪をイメージした3本のデイタイムランプや立体的なグリルなどでエクステリアの印象は洗練され、インテリアでは10インチの大型タッチスクリーンやヒーター付きパワーシート(運転席)などを標準装備するなど、充実した内容となった。
今回、取材の足を兼ねて借り出したのは、1.5Lの直4ターボディーゼルを搭載した2008GT ブルーHDi。永年ディーゼル車を作り続けているプジョーだけあって、その出来はさすが。ディーゼル特有のサウンドは乗っていてもほとんど気にならず、1.5Lと小さめの排気量ながら1750rpmから300Nmものトルクを発生してくれるので、発進から高速域まで十分以上に加速する。
8速トルコンATとの相性も良く、またシャシもしっかりしているので、乗り味はコンパクト(Bセグメント)とは思えないほど。208や308のようにワインディングロードの走りを楽しむクルマではないが、それでも不満ないパフォーマンスを発揮してくれる。もちろん、アダプティブ クルーズコントロールをはじめとした運転支援機能も充実しており、安心&快適なドライブが楽しめる。
小径ステアリングホイールの上から見る独自の3D iコクピットのメーター類は意外と見やすく、マイナーチェンジでスイッチ式になったATセレクターも悪くない。ディスプレイオーディオも標準装備されているから、カーナビやオーディオは自分のスマートフォンとリンクさせて使うことができる。外観から想像されるよりリアシートもラゲッジスペースも十分広く、おとな4人でアウトドアレジャーに出かけても不満は出ないだろう。
今回、約470km(8割くらいが高速道路)を走行して、トリップコンピュータは20.8km/L、平均車速は38km/h、残燃料はほぼ半分で、走行可能距離は320kmと表示した。やはりロングツアラーにはディーゼル車を選びたくなるなと再認識させてくれた。