ショーファードリブンのカタチが変わってきている今、レクサスから新たなフラッグシップモデルが登場した。それが「LM」である。今回は日本が誇る新しいハイエンドMPVで古都・京都を巡りその伝統や文化に触れつつ、東京まで約500kmのロングドライブでLMの実力を測った。(MotorMagazine2024年5月号より)

気兼ねなく京都の小路をドライブできた

目障りな建造物の少ないこのエリアは決してドライブルートではない。整備の行き届いた道も急に狭くなったり、細く直角に折れ曲がったりする。基本的には歩いて巡る街だけれど、京都らしい風情を車窓からも味わえるスポットだから、“京都にやってきた”という気分になってもらうには最高の場所だ。

画像: 広い視界のおかげで大柄なボディサイズを気にせず京都の名所を散策できた。

広い視界のおかげで大柄なボディサイズを気にせず京都の名所を散策できた。

要するに大きなクルマで走ることは逡巡してしまうようなルートだったのだが、走り始めたときの好い印象と、実際の視界の良さやカメラやアラームのおかげで気兼ねなく入っていけた。意のままに動いてくれているという感覚が、狭い路地への進入をためらわせない。

ショーファーカーだからといってアメリカの送迎バンのようにドライバーを無視したかのような作りよりも、気持ちよくドライブしてもらえる設計である方が安心で安全というものだ。

ドライブ環境における静粛性の高さもレクサスらしい。エンジンノイズは極力抑え込まれ、不快な振動も伝わってこない。段差や目地をパスする際のショックも、かえってドライブのアクセントになるような感覚で心地良くいなす。

画像: 特筆は快適重視の「リヤコンフォートモード」。前席でも感じる穏やかで優しい乗り味が魅力だ。抜群の静粛性と相まって非常に心地良い。

特筆は快適重視の「リヤコンフォートモード」。前席でも感じる穏やかで優しい乗り味が魅力だ。抜群の静粛性と相まって非常に心地良い。

街中の舗装路面では市バスなどの大型車両によって造られた大きなくぼみなどが散見される。そんなところでもミニバンに特有の“大きな箱がよじれて震える”といった感覚がまるでなかった。

京都を代表する和食の名店で弁当を予約しておいた。桜も散り新緑が繁る4月から5月。日に日に気温は上がって屋外でも気持ちよく過ごせるという、夏は暑くて冬は寒い京都では実は貴重な季節がやってくる。ランチの名店は数あれども、この時期だけは葉桜のもとでいただく名店の味ほど楽しい食事はほかにない。

おすすめのスポットは京都御所。ついでにぜひ御所内も散策してみてほしい。広大な敷地にあって、見上げるとビルなどの背の高い建築物がまるで見えない。360度、空がひらけて見えるのだ。平安の時代と変わらぬそれは景色だろうと想像を逞しくする。

ずっと運転席にいられるのはドライバーズカーである証

かつて京都から東京へと拠点を移した和菓子の老舗「とらや」で食後の抹茶とデザートを楽しみ、お腹と心も満たされて、それでもなおドライバーズシートに収まっていられること自体、ミニバンであるLMにドライバーズカーの本質が備わっていることの証でもあるだろう。もっとも、パーテーションに遮られた向こう側の様子もそろそろ気になり始めてはいた。

画像: 法観寺「八坂の塔」が目を惹く京都・東山エリア。伝統を守りながらモダンで洗練された街づくりが徹底された姿は、レクサスLMの世界観と似たものを感じさせた。

法観寺「八坂の塔」が目を惹く京都・東山エリア。伝統を守りながらモダンで洗練された街づくりが徹底された姿は、レクサスLMの世界観と似たものを感じさせた。

東京への土産物を買い回る。洛中の繁華街、洛北、山科あたりを巡ってこの日は京都駅に近いホテルで心地よい疲れを癒すことにした。結局、私は日がな一日LMをドライブしたのだ。しかも京都市内をぐるぐると。

確かにお楽しみ(後席)は取っておくタチとはいえ、それだけLMの日常的なドライバビリティに慣れ親しめたということだろう。

翌日。いざ東京を目指すとなってなお、私はドライバーズシートに居座った。街中での良さはわかったけれど、高速道路での性能はどうか、知りたかったからだ。

京都に住んでいるため月に数度、最近ではほぼ週イチ、最新モデルを往復のテストドライブに供するという生活をかれこれ十年以上も続けてきた。おかげで高速道路に入って半時間もドライブすれば、その先の長い道のりが快適かそうでないかの見当もかなり高い確率でつくようになっている。

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