「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ ポルテ/スペイドだ。

エンジンは2タイプ。1.3Lでも軽やかに走る

画像: 全高は1690mmと高めだが、安定感のある走りを確認。エンジンは1.3Lのパワーでも過不足なしといった印象だ。

全高は1690mmと高めだが、安定感のある走りを確認。エンジンは1.3Lのパワーでも過不足なしといった印象だ。

パワーユニットはカローラアクシオと同じだ。1.3Lの1NR-FE型と1.5Lの1NZ-FE型、2種の直4DOHCを設定した。1.3Lの廉価モデルと4WDモデル以外にはアイドリングストップ車を用意している。トランスミッションは無段変速機のCVTだ。

1.3Lエンジンはフラットなトルク特性で、CVTとの相性もいいから軽やかにスピードを乗せていく。1.5Lより低回転域のトルクは厚みがあるように感じられる。扱いやすいエンジンだが、ダラッとした登りが続くステージでは排気量の差を意識させられたのと、加速した時の静粛性も今一歩と感じた。

1.5Lは低回転域のトルクはやや細いものの高回転は元気だ。また、緻密な制御によって燃費もアイドリングストップ車だったら1.3Lを凌ぐ。そのアイドリングストップ機構「スマートストップシステム」は1.3Lの2WDモデルに標準装備で、1.5Lの2WDモデルにオプション設定(5万4600円)となる。どちらのエンジンも違和感がなく、自然な作動フィールだ。意識的にブレーキを強く踏まなくてもアイドリングストップが働くことが多い。

サスペンションはスタビリティを重視した味付けだ。背の高さを意識させないようにロールを上手に抑え込んでいる。電動パワーステアリングも軽い操舵力で、扱いやすさを前面に押し出した。とくに好印象だったのは15インチタイヤを履くモデルで、やや締まった乗り味だが、コントロール性は一歩上を行く。

14インチタイヤは乗り心地こそ穏やかだが、荒れた路面でショックの吸収が甘く、突き上げも大きく感じられた。また、応答フィールもちょっと頼りない。とはいえ、日常ユースでの使い勝手の良さはピカイチといえるだろう。

画像: 助手席は前後に700mm(2WD車)もスライドする。写真は一番前に出したところで、この状態だと運転席から後席へのウオークスルーも容易だ。

助手席は前後に700mm(2WD車)もスライドする。写真は一番前に出したところで、この状態だと運転席から後席へのウオークスルーも容易だ。

トヨタ ポルテ 1.5X 主要諸元

●全長×全幅×全高:3995×1695×1690mm
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1140kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1496cc
●最高出力:80kW(109ps)/6000rpm
●最大トルク:136Nm(13.9㎏m)/4800rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・42L
●JC08モード燃費:20.6km/L
●タイヤサイズ:175/65R15
●当時の車両価格(税込):164万4600円

This article is a sponsored article by
''.