メルセデス初のスポーツハッチにライバルは戦々恐々か
今回は飛行場のジムカーナコースでA250シュポルトというグレードを全開で試すこともできたのだが(パワートレーンはA250と同様)、それまでの品の良さから豹変して見せた。シフトアップした瞬間から強烈なトルクを感じさせ、そのまま勢いよく回っていく。高回転域の伸びも直噴ターボとしては異例にいいほどだ。内製のDCTも普段はスムーズさが特徴的だが、ここではダイレクト感が強調される。
シャシは低速域でほんの少しアタリが硬めに感じられることもあるが、速度が上がってくるとスムーズになり、メルセデスらしいシットリ感がある。感心させられたのはハンドリングで、剛性感あふれたステアリングホイールを切り込んでいくと、なかなかリニアな反応を示す。特にA250シュポルトは絶品。フロントの容量がたっぷりとあってスイートスポットが広く、状況にかかわらず良く曲がりトラクションも強力だ。
メルセデスにとって新型Aクラスは、初めてスポーティを意識したFFコンパクトだが、これならいきなりライバルを蹴散らすことになるかもしれない。この後に控えている、最もスポーティなA45 AMGにも大いに期待が持てそうだ。
メルセデス・ベンツ A250シュポルト(日本仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4355×1780×1430mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1450kg
●エンジン:直4 DOHC+ターボ
●総排気量:1991cc
●最高出力:155kW(210ps)/5500rpm
●最大トルク:350Nm(35.7㎏m)/1200-4000rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:235/40R18
●当時の車両価格(税込):420万円