「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ Aクラスだ。

メルセデス初のスポーツハッチにライバルは戦々恐々か

画像: クローズドコースで全開走行を試みると、性格は一変。ターボエンジンは高回転まで小気味良く回っていく。

クローズドコースで全開走行を試みると、性格は一変。ターボエンジンは高回転まで小気味良く回っていく。

今回は飛行場のジムカーナコースでA250シュポルトというグレードを全開で試すこともできたのだが(パワートレーンはA250と同様)、それまでの品の良さから豹変して見せた。シフトアップした瞬間から強烈なトルクを感じさせ、そのまま勢いよく回っていく。高回転域の伸びも直噴ターボとしては異例にいいほどだ。内製のDCTも普段はスムーズさが特徴的だが、ここではダイレクト感が強調される。

シャシは低速域でほんの少しアタリが硬めに感じられることもあるが、速度が上がってくるとスムーズになり、メルセデスらしいシットリ感がある。感心させられたのはハンドリングで、剛性感あふれたステアリングホイールを切り込んでいくと、なかなかリニアな反応を示す。特にA250シュポルトは絶品。フロントの容量がたっぷりとあってスイートスポットが広く、状況にかかわらず良く曲がりトラクションも強力だ。

メルセデスにとって新型Aクラスは、初めてスポーティを意識したFFコンパクトだが、これならいきなりライバルを蹴散らすことになるかもしれない。この後に控えている、最もスポーティなA45 AMGにも大いに期待が持てそうだ。

画像: インパネの基本デザインはBクラスと共通だが、カーボン調などの素材でスポーティな雰囲気にまとめられている。

インパネの基本デザインはBクラスと共通だが、カーボン調などの素材でスポーティな雰囲気にまとめられている。

メルセデス・ベンツ A250シュポルト(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4355×1780×1430mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1450kg
●エンジン:直4 DOHC+ターボ
●総排気量:1991cc
●最高出力:155kW(210ps)/5500rpm
●最大トルク:350Nm(35.7㎏m)/1200-4000rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・50L
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:235/40R18
●当時の車両価格(税込):420万円

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