ターゲットはSUV購入を検討中のヤングファミリー
「フィアット(FIAT)」のブランド名を聞いて、多くの人が思い浮かべるのが「チンクエチェント」ことフィアット500だろう。その可愛いスタイルで、2008年に登場以来フルモデルチェンジされることのないロングセラーとして愛されてきた。日本市場においては、フィアット ユーザーの50%以上が女性であり、70%以上がクルマを2台以上保有しており、そして80%以上の人が「フィアット=可愛い」と思っているという。
また、3年以内に新車購入を予定しており、予算は500万円以上というユーザー予備軍は、約195万6000人。その中でもSUVの購入を検討しており、とくに外観を重視したヤングファミリーは約15万3000人いると考えられている。今回の600eのターゲットは、まさにここにあるのだ。
では、600eとはどんなクルマなのか。車名から想像するに、既に2022年に日本デビューを果たしているコンパクトEV、500eの「お姉さん」的モデルであると考えられるだろう。実際、フィアットでも「ウエルカム、ビッグ シスター(ようこそ、お姉さん)」というキャッチフレーズも用いている。
ただし、単に500eを大きくしただけではなく、ゆったりした居住性や広いラゲッジルーム、そしてより多くのワクワクを与えてくれる、今後のステランティスをリードするクルマであるとステランティス ジャパンの打越 晋 代表取締役社長は語る。
クルマ好きならご存知だろうが、フィアットは1955年に初代「600」を発売している。その初代600や500eのデザインアクセントを継承した、丸みのあるフォルムやLEDランプ、そしてグロスブラックのアクセントを効果的に用いている。500eよりは長めのプロポーションだがオーバーハングは短めで、ウエッジシェイプを少し強め、フロントにはシャークノーズ感も与えるなど、可愛い中にも精悍さを感じさせる。