生産ラインも作られるクルマも「未来」を感じさせていた
当時、カウンタックが組み立てられたエリアは、「No.1カウンタック組立ライン」と呼ばれていました。組立ラインはシンプルかつ小規模なもので、すべての操作は手動で行われていました。
ボディワークパネルは叩き出しにより成形されたのち、木製のテンプレートでチェックされた後で溶接されて、車体の型にアジャストされていました。
ほかの部品も手作業で製造・組み立てられていたため、他の部品と一見同じに見えても、実際には微妙に異なっていたのだとか。つまり、フレームと組み合わせる前のチェックは不可欠だったといいます。
フレームユニットは、レール上を走る工業用トロリーに載せられ、さまざまな機械部品が並ぶ組み立てステーションの間を移動しました。
カウンタックは、Lamborghini Upholstery Department(独自の室内装飾部門)が関与した最初のモデルでもありました。当初は外部サプライヤーと協力してインテリアのフィッティングと組み立てを行っていたようです。
最終的には、レザーの張り地やステッチの処理も含めて完全にオートメーション化されています。現代の「ランボルギーニ アド・ペルソナム・プログラム」が提供するパーソナライゼーションの原点と言えるかもしれません。
ランボルギーニが有する貴重なアーカイブスの中から公開された「No.1カウンタック組立ライン」の画像を見ていると、ちょっとクルマの製造工場には見えません。どちらかといえば「宇宙船工場」のような雰囲気すら感じられます。
もっともそれは製造ラインの先進性もさることながら、カウンタックというクルマそのものの時代を超越したデザイン性、カリスマ性によるものなのかもしれませんが。