2024年9月12日、シビックに新たに設定された「RS」は、クルマ好きにとっては夢のようなMT専用モデルです。ここではそのプロトタイプにクローズドコースで試乗、従来モデルと比較しながら、その走りの楽しさを確かめてみました。(MotorMagazine2024年10月号より再構成)

1.5Lターボの楽しさを味わい尽くすための、MT専用セッティング

シビックRSと聞けば、初代シビック(1974年)を思い浮かべる方も多いだろう。

画像: モーターマガジン誌:昭和50(1975)年1月号でシビックRSとチェリーGX、レオーネRXを筑波サーキットで比較。「RSのエンジンの吹け上がりは小気味良く、加速レスポンスはなかなかのもの。コーナーではデリケートな操作が要求されるものの3車の中では一番速い1分23秒33のラップタイムを叩き出した」とある。

モーターマガジン誌:昭和50(1975)年1月号でシビックRSとチェリーGX、レオーネRXを筑波サーキットで比較。「RSのエンジンの吹け上がりは小気味良く、加速レスポンスはなかなかのもの。コーナーではデリケートな操作が要求されるものの3車の中では一番速い1分23秒33のラップタイムを叩き出した」とある。

画像: クロスレシオ4速+オーバートップ の5速MTは、00km/hクルーズ時で3100rpmの低回転を可能にしていた。ウッドステアとシフトノブを装備するところも「らしい」。

クロスレシオ4速+オーバートップ の5速MTは、00km/hクルーズ時で3100rpmの低回転を可能にしていた。ウッドステアとシフトノブを装備するところも「らしい」。

このRSは「ロードセーリング」の略で、ハイウェイクルージングを意識した快速モデルというような位置づけだった。搭載されるエンジンはEB1型1169ccでケイヒン製のCVキャブを2連装し、 76ps/6000rpm、10.3kgm/4000rpmまでパワーアップ。アクセルレスポンスはすこぶるシャープで、6500rpmまでストレスなく回り切った。

1980年代以降のシビックではSiもしくはSiRがスポーツモデルとして定着。1997年にはサーキット走行も視野に入れたタイプRが登場したことで、2000年代以降は日本国内でシビックのスポーツモデルと言えば「タイプR」というイメージが強くなっていた。

しかし、往年のシビックファンやホンダファンの中には、タイプRほどではないけれどスポーティなシビックを求めていた人たちも多く、事実、従来型シビックの1.5Lターボモデルでは、MT車の選択比率が5割を超えていたという。

そこでホンダはよりMT車を楽しむためのモデルとして、シビックRSを復活させたのだ。

画像: 左はタイプR。RSのエアロアレンジは非常にシンプルながら、だからこそシックで大人びた雰囲気が漂う。

左はタイプR。RSのエアロアレンジは非常にシンプルながら、だからこそシックで大人びた雰囲気が漂う。

最新のRSも快速なのは変わらないが、タイプRの技術も採り入れたということで、操る喜びをさらに高めた「進化型MTスポーツ」と呼ぶのが相応しいだろう。

その内容は軽量フライホイールによるエンジン回転のレスポンス向上をはじめ、MTで気持ちよく走るためにレブマッチシステムも採用。さらにドライブモードが追加され、スポーツやインディビジュアルが選べるようになった。

足まわりではフロントブレーキディスクの大径化、スプリングやスタビライザー、ブッシュの剛性アップ、さらに車高を落とし、ダンパー径も拡大、バルブの最適化などひととおり手が入っている。

一方、見た目は意外とシンプル。前後のRSエンブレムが印象的だが、その他は各部のブラックアウトなど派手な装飾は使わない。

This article is a sponsored article by
''.