モータースポーツへの入り口「カートレース」の世界に飛び込む
筆者は休日にまったりとドライブするのが趣味で、サーキット走行やレース参戦はお金がかかり、怪我のリスクもあるため二の足を踏んでいました。
そんなある時、自動車評論家の鈴木ケンイチさんが事務局長を務めるチームからカートレースに参戦してみないかというお誘いを受け、自動車レースよりも金銭的負担が少なく参加できることもあり、人生の経験として参加することに。
鈴木ケンイチさんが率いる「Club Racing(クラブレーシング)」は、主に自動車メディア・車系YouTuberで編成され、ドライバー、メカニック、裏方スタッフの方々を含めると総勢50人以上、出場マシンも3台というかなり大所帯なチームです。しかも、過去にはレース界のレジェンドである故高橋国光氏も所属していたという名門としての歴史を持ち、スポンサーとして長年ご支援いただいている企業が何社もあるといいます。
そんな名門チームにサーキット未経験の“ひよっこ”が参加して大丈夫なのかという不安が頭を過ぎりますが、どうやら自動車メディアの若手にレースの楽しさを体験してもらうために20〜30代の人間を集めており、未経験の新人というのはうってつけの存在だったようです。
また、参戦するレースは「もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI”」、通称「K-TAI」と呼ばれるサーキット走行イベントで、スポーツカートと呼ばれるレーシングカートのフレームに国内メーカーの4ストローク汎用エンジンを搭載し、レンタルカート用のタイヤを装着した車両で1周4.8kmのモビリティリゾートもてぎの本コースを走る7時間耐久レース。競技ライセンスがなくても参加できる、“レースとしてはお手軽なイベント”とされています。
なお、K-TAIは搭載するパワートレーンによってガソリンエンジン搭載車を排気量別に振り分けた「クラスI」〜「クラスIII」、バッテリー駆動の電動カートを用いる「クラスE」、次世代型バイオマス燃料を用いる「クラスF」の5つにクラス分けされており、筆者のチームはホンダの270cc汎用エンジン「GX270」を搭載し「クラスII」に参戦しました。(使用タイヤはダンロップのレンタルカート用タイヤ「DRK-SP」)
ちなみに、最高速度は120〜130km/h。生身の身体で地面すれすれを新東名高速の最高速度とほぼ同じ速度でかっ飛ばしているというだけでも、いかにクレイジーなことかがお分かりいただけると思いますが、もっと恐ろしいことにカートはコーナリング性能が高いため、ほぼその速度を保ったままコーナーも駆け抜けていくといいます。
リブプロテクターで保護されているとはいえ、クラッシュなどのアクシデントがなかったとしても、コーナー走行時にかかる横Gの負荷だけで肋骨が折れてしまう事例もあるそうです。