800万台以上が生産された1960年代の名車をオマージュ
最近のルノーは、ルノー5(サンク)、エスタフェットなど、往年の名車をオマージュしたBEV(バッテリー電気自動車)を発表しているが、この4 Eテック エレクトリック(以下、4 Eテック)も、そうした一連のシリーズの新作と思われる。
1961年に登場したルノー4(キャトル)は、同社初のフロントエンジン搭載のファミリーカーで、トランスミッションの出っ張りがないため床はフラットだった。平日でも週末でも、通勤用でもレジャー用でも、都会でも田舎でも、走りまわるのに最適な、広々としてウイットのあるクルマだった。当時の需要とマッチしたルノー4は大ヒットモデルとなり、100カ国以上で人々に選ばれ、生産台数は800万台を超えた。
4 Eテックは、初代4と同様に多用途で、現代にふさわしいバッテリー電気自動車として登場した。全長は4.14mで、ルノー5の3.92mより少し長いが同じAmpR スモール プラットフォームを採用しているBセグメント車だ。クラストップレベルの広い室内空間と、妥協のない機敏性や快適性を実現するように設計されている。現段階では4 Eテックの全体像は公開されていないが、ディテールの写真を紹介しておこう。
フロントグリル
4 Eテックは、イルミネーション付きのダイアモンド エンブレムを備えた最初のルノー車となる。ヘッドランプは丸型LEDのようだ。
「4」ロゴ
テールゲートには車名を表す「4」のロゴが柔らかいタッチのエンブレムで付けられている。
テールランプ
初代4は3分割タイプの縦型テールランプを採用していたが、4 Eテックもそれを踏襲している。グロスブラックの輪郭が洗練さを加えている。
クオーターウインドー
リアフェンダー上のクオーターウインドーは台形で、これは初代4を踏襲している。
ドア下部のライン
ドア下部には、ボディから伸びる3本の立体的なラインが入る。これは初代4後期型のプラスティック シールドを彷彿とさせる。
リアスポイラー
初代4のテールエンドにはこのようなリアスポイラーは装着されていなかったが、4 Eテックのシルエットをスポーティなイメージにまとめている。
テールゲート
テールゲートの角度も初代4を彷彿とさせる。かなり低い位置から開くのも、初代4と同様だ。
バンパー
さすがに1960年代のようなクロームメッキバンパーは採用していないが、当時のゴム製オーバーライダーを彷彿とさせるパーツを装着している。
開閉式ファブリックルーフ
初代4にも設定されていた、開閉可能なファブリックルーフを採用。開口部は大きく、解放感は比類のないものだ。
ルノー4 Eテック エレクトリックの全貌は、パリ モーターショーでの発表を待つことにしよう。なお、このクルマは単なるコンセプトカーではなく、フランスのモブージュ工場で生産され、2025年には販売される予定だという。