ジャーマンプレミアムのセグメントを牽引してきたメルセデス・ベンツのEクラスとBMWの5シリーズ。中でもそれぞれのワゴンモデルは各ブランドの個性際立つ存在として今なお注目を集めている。そんな本特集のメインに相応しい2台を連れて彼らの妙味を感じてきた。(MotorMagazine 2024年10月号より再構成/文:島下泰久/写真:永元秀和)

本命のエアサス装着車が登場

メルセデス・ベンツEクラス ステーションワゴンは、登場当初のラインナップに加えて、このE300ワゴン、そしてE220dオールテレインが加わって、豊富なバリエーションが揃ったところだ。

画像: E300は現行Eクラスで唯一スリーポインテッドスターが立つ。This isメルセデスといった装い。タイヤサイズは225/55R18。AIR MATICサスペンションを搭載するので車高調整も可能となる。

E300は現行Eクラスで唯一スリーポインテッドスターが立つ。This isメルセデスといった装い。タイヤサイズは225/55R18。AIR MATICサスペンションを搭載するので車高調整も可能となる。

さらにこの両車は、これまでセダンE350eのE350eスポーツ エディション スターでしか選択できなかったエアマティックサスペンションの装着が嬉しいポイント。しかもE300ワゴンは、現行Eクラスで唯一、ノーズ先端にスターマークを配したフロントデザインが与えられている。

柔らかな曲面で構成されたエクステリアは、5シリーズと並べると、コレは本当にライバル比較なのかと思うほど、キャラクターの違いが鮮明だ。ショートオーバーハング、ロングノーズという古典的プロポーションの端正なフォルムは落ち着き、威厳を感じさせる。

もっとも当初は、ブラックアウトされたグリル、そしてスターマークを使ったテールランプなどに拒否反応もあったわけだが、今やそうした声もだいぶ小さくなったように感じられる。見慣れてしまうと、気にするほどでもない。いや、気にならな過ぎるほどと言っていいかもしれない。

後席用クライメートコントロールを「唯一」装備

両車ともインテリアは基本的にセダンと共通だ。いずれもハイテク感と上質な仕立てが絶妙に組み合わされた空間となっている。

画像: 新型7シリーズにも似た高級感あるセンターコンソールデザイン。シフトスイッチとナビダイヤルはクリスタル製。Mスポーツはパドルシフトのマイナス側を長引きすると10秒間のブースト機能が可能になる。

新型7シリーズにも似た高級感あるセンターコンソールデザイン。シフトスイッチとナビダイヤルはクリスタル製。Mスポーツはパドルシフトのマイナス側を長引きすると10秒間のブースト機能が可能になる。

画像: デジタルインテリアパッケージ装着車は、助手席用タッチディスプレイが備わる。レザーエクスクルーシブパッケージ装着車はフロントにシートヒーター&ベンチレーション、リアにシートヒーターが付帯する。

デジタルインテリアパッケージ装着車は、助手席用タッチディスプレイが備わる。レザーエクスクルーシブパッケージ装着車はフロントにシートヒーター&ベンチレーション、リアにシートヒーターが付帯する。

5シリーズは床下にバッテリーのための空間があるぶん、前席では着座位置が少し高めに感じるが、後席ではそれほどでもない。頭上には拳ひとつ分の、そして膝前にも1・5個分の余裕がある。シート自体も座面が大きく包まれ感があって快適だ。

これはマストな装備だと思ったのはセレクトパッケージに含まれるパノラマガラスサンルーフである。間にフレームの挟まらない大面積の1枚物なので、後席からの眺めはまさにパノラマ。この開放感は堪らないものがある。

対するEクラスの後席は、乗降性を意識したのか座面の左右端がラウンドした形状になっていて、座面のサイズ自体もやや小振りだ。足元も十分な広さはあるが、5シリーズよりはわずかにタイトに感じられる。

価格を少しでも抑えるために、標準装備が絞られている新型Eクラス。

後席独立のクライメートコントロールが標準で備わるのはステーションワゴンでは、実はこのE300ワゴンだけとなる(残すはE220dオールテレインにオプション設定のみ)。あるいは、それだけでも選択理由になるという人がいるのではないだろうか。

なお、523dツーリングも4ゾーンオートマチックエアコンディショナーはオプション。その他のモデルは標準装備である。

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