たとえハンドルを握らなくても、気分はしっかり盛り上がる
まずはなぜか、次期プレリュード プロトタイプの後席インプレッションからお届けしましょう。身長175cmの担当編集には、やっぱりヘッドクリアランスが足りません。聴けば、だいたい160cmくらいまでの人なら、ちゃんと座れます(同乗した開発メンバー談)とのこと。
なるほど、確かに足もとに窮屈感を覚えることはありません。テストコースという比較的路面状況の良い環境でも、なかなかに乗り心地は良好。キツめのバンプはさすがに腰(と頭をぶつけた)に来ますが、基本的にしっかり使えるリアシート、と言えそうです。
ちょっと限定的ですが・・・小学生くらいのお子さんがふたりいるけど、新型プレリュードが密かに欲しいもんだから、奥さんをどう説得しようか悩んでます。というパパ、ぜひ参考にしてめげることなく貫徹してください。その価値はきっとあります。
なにより運転していなくても気分を盛り上げてくれるのが、調えられた「音」成分がもたらす滋味でしょう。エンジン回転数と同期したエンジン音を聴かせてくれる「アクティブサウンドコントロール」は、電子サウンドとのミックスであることがわかっていても、ちゃんと気分を高揚させてくれます。
ちなみに「タイプS(インテグラ?)」の直4ユニットのサウンドを「ベース」に「迫力のある音」を演出しているようですが、もしかするとこれ、他の音にコントロールすることも可能なのではないでしょうか? 個人的にはZCとかF20Cを所望。チームの許認可さえ得られれば「RBPTH002」の感動すら疑似体験することができるやもしれません。あくまで妄想ですが。
というワケで、諸事情によりハンドルを握ることはかなわなかった次世代プレリュード。Hondaの流儀に則ったハイブリッドシステムの熟成が生む「五感に響く技術」の片鱗、ちょっと窮屈だけど意外に快適なリアシートでしっかり味わわせていただきました。
それは同時に、単なる「ハイブリッド」という括りではなく、「ICE(内燃機関)」に関わるモノづくりの革新を、ホンダというブランドがまったくあきらめていないことを実感させてくれる体験でもありました。