プジョーのフラッグシップモデルらしい落ち着き
「508は、プジョーの新しいフラッグシップですか?」と尋ねたら「そう考えてください」とプジョー本社の広報部長であるマルク・ボクェ氏が答えてくれた。エクステリア、インテリア、そしてハンドリング性能に質の高さを見せる508は、フラッグシップらしい落ち着きがあるクルマに仕上げられているから、この答えは予想できた。
407の後継車として2010年のパリサロンでデビューした508であるが、407だけではなく607の後継車という意味合いも持つ。だから自動的にプジョーの最上級車になる。
この508から、プジョーの新しいデザインコンセプトが採用されている。フロントグリルの口の開き方と位置が変わり、ヘッドライトユニットの吊り目のイメージは残るがこれまでの強い個性からちょっと大人しくなった気もする。あまり目立たずに乗れるようになったから、欧州でも日本でも数を売るにはこの方が無難かもしれない。
508のシルエットを見ると、今までのプジョーのイメージから外れている。それはフロントのオーバーハングが短くなっているからだ。407より43mmも削られ、顎が短くなった感じである。
全長×全幅×全高は4792×1853×1456mmと、407に比べて101mm長く、42mm幅広く、ホイールベースは92mm延びている。Dセグメントの中では大きなボディ、大きなキャビンを持っている。
サルーンと、ワゴンのSWが用意される。カタログを見るとセダンより20kg重いSWであるが、燃費も含めて性能的な差はほとんどない。ちなみに空気抵抗係数はサルーンが0.26、SWは0.27である。
エンジンはガソリンが2モデル、ディーゼルが5モデルと、フランス車らしくディーゼルが充実している。すべてユーロ5にパスしている。
ガソリンは1.6Lのターボ付きとなしの2種類で、ターボ付きには6速MTと6速ATが用意される。NAは6速AMTでアイドリングストップシステムが装備される。
ディーゼルはすべてターボ付き。1.6Lは5速MTと6速AMT用の2種類のチューニングがある。2Lも6速MT用と6速AT用でチューニングを変えている。150kWと450Nmを発揮する最強GTの2.2Lは6速ATのみだ。