【10年ひと昔の新車】アウディもA6ハイブリッドで、いよいよHVサルーン ウオーズに参戦した

トルクフルな走りで、しかもスムーズで静か

駆動力はアクセル開度に応じてエンジンと電気モーターが最適な配分で結合されるが、その走りっぷりはなかなかトルクフル。フルアクセル時の加速は、かなり強力だ。一方でエンジンの存在を忘れさせるほど静粛性は高い。通常はエンジン主体で、条件が整えば電気モーターのみによる「EVモード」での走行が可能だ。最速で上限100km／hまで、最長で60km／hの速度で3kmの距離をモーターで走ることができる。

駆動方式はクワトロ4WDではなくFWD（前輪駆動）だが、アウディらしい俊敏なステアリングレスポンスと優れた高速安定性を両立したドライブフィールは健在だ。前後重量配分が50：50に近づいたことで、ピッチングも抑えられている。

ただし、ブレーキの違和感が少々気になった。ちょっと踏んだだけでカクンと減速したり、その先でも微妙なコントロールがしにくかったりと、個体差なのかもしれないが少し煮詰め不足が感じられた。

車両価格（税込）は690万円と、ガソリン車のエントリーモデルとなる「2.8FSI クワトロ」の610万円との差は大きくない。日産 フーガやレクサス GS、BMW 5シリーズハイブリッドと比べても競争力はあるといえるだろう。

また、JC08モード燃費の13.8km／Lという数値は日本勢にだいぶ水を開けられているが、実測値ではそれほど差がなかったことをつけ加えておこう。

●全長×全幅×全高：4930×1875×1465mm
●ホイールベース：2910mm
●車両重量：1850kg
●エンジン：直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量：1984cc
●エンジン最高出力：155kW（211ps）／4300-6000rpm
●エンジン最大トルク：350Nm（35.7kgm）／1500-4200rpm
●モーター最高出力：40kW（54ps）
●モーター最大トルク：210Nm（21.4kgm）
●トランスミッション：8速AT
●駆動方式：縦置きFF
●燃料・タンク容量：レギュラー・73L
●JC08モード燃費：13.8km／L
●タイヤサイズ：245／45R18
●当時の車両価格（税込）：690万円

アウディ A6ハイブリッド9