「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、アウディ A6ハイブリッドだ。
アウディ A6ハイブリッド(2012年:車種追加)
国産ではレクサス GSや日産 フーガ、輸入車でもBMW アクティブハイブリッド5など、Eセグメント サルーンにハイブリッドカーの選択肢が増えてきた。そして新たに登場したアウディ A6ハイブリッドは、直4の2Lターボをモーターでアシストし、しかもFWDというモデルだ。
ル・マン24時間での優勝をはじめレースではハイブリッドの実績があるアウディだが、意外にも市販車はこのA6が初めてとなる。A6セダンに、211psを発生する2L 直4直噴ターボエンジンと8速ATの間に54psを発生する電気モーターを組み込んだ独自のシステムを搭載するハイブリッド車が、いよいよ発売された。
ベース車との外観の相違点は、バッジの有無と標準装備のホイールのデザインがタービン風になる程度。気になるのはトランク容量だが、リチウムイオンバッテリーがリアアクスル上に積まれるためラゲッジフロアには大きな段差があるものの、VDAで375Lの容量が確保されている。
インテリアでは、中央にコンポーネントの稼働状況を示すエネルギーフローディスプレイを、その左にパワーメーターと高電圧バッテリーの充電レベルを示すメーターを配置した専用のメーターパネルが与えられている。また、MMI(マルチメディア インターフェース)ディスプレイにも燃費や回生されたエネルギー量などを表示できる。