モーターマガジン社が2025年1月30日に発行したムック、GT memories13「ST165/185セリカGT-FOUR」が好評だ。ここでは、そのダイジェスト版をお届けしよう。セリカGT-FOURは、1986年10月に登場し、1993年まで生産された日本を代表するハイパワーフルタイム4WD車だ。連載第4回目は、全車3ナンバーサイズとなりフロントビューを一新した後期型セリカGT-FOURを紹介しよう。

ターボはメタルコンプレッサーホイールからセラミックに変更

画像: ハンドリングは重量級ボディをものともせずに軽快だった。エンジンは225psとパワースペックは同一だがフレキシブルさが増している。

ハンドリングは重量級ボディをものともせずに軽快だった。エンジンは225psとパワースペックは同一だがフレキシブルさが増している。

室内をざっと見ていくと、シート表皮・ドアトリム表皮の変更などが上げられる。ただ、室内サイズ自体は5ナンバーボディと変わらないので、強く傾斜したフロントウインドーやドライバーを取り囲むような曲面で形成されたインパネは健在で、タイトな包まれ感に満ちている。

また、今回のポイントは安全性の向上にもある。具体的には義務付けられたサイドドアインパクトビーム、リア3点式シートベルト、シートベルト非装着警告灯などが装備された。オプションではあるが、シートベルトの働きと合わせドライバーの頭や胸を保護するSRSエアバッグがオプションで選べるようになったのは時代の流れを感じさせるところ。

画像: 当時、国産乗用車も5ナンバーから3ナンバーの時代に移りつつあった。セリカGT-FOURもそんな時代の波に乗った面もある。

当時、国産乗用車も5ナンバーから3ナンバーの時代に移りつつあった。セリカGT-FOURもそんな時代の波に乗った面もある。

エンジンは、2L直4DOHC+ターボの3S-GTE型。ただGT-FOUR Aでは、ターボにメタルコンプレッサーホイールを使っていたが、これはなくなり、ツインスクロールタイプのセラミックコンプレッサーホイールに統一された。スペックは最高出力225ps/6000rpm、最大トルク31.0kgm/3200rpmで変更はない。

駆動方式はセンターデフにビスカスLSDを加え、リアデフにトルセンデフと採用したフルタイム4WDという構成は変わらない。ただ駆動系という括りで見ると、5速MTの2速にトリプルコーンシンクロ、3速にダブルコーンシンクロを採用して、より快適にシフトチェンジができるようになった。これはスポーツ走行が前提でもあるGT-FOURには重要かつ必須の改善点といえる。

さらに、ブレーキに関しても前後ともディスクの大型化が図られた。車両重量は1460㎏とかなりの重量級に達しており、必須の改良点だった。エクステリアのみならず、各部に変更が加えられ、言ってみれば最後のツメがここで加えられたわけで、クルマとしての完成度が一段上がったと言える。

ST185セリカGT-FOUR主要諸元(1991年8月発売)

●全長×全幅×全高:4330×1745×1305mm
●ホイールベース:2525mm
●車両重量:1465kg
●エンジン:直4 DOHC+インタークーラーターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:225ps/6000rpm(ネット)
●最大トルク:31.0kgm/4000rpm(ネット)
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:4WD
●10モード燃費:9.8km/L
●車両価格(当時):297.5万円

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