圧倒的にラグジュアリーであり、驚異的なハイパフォーマンスを発揮できるのにもかかわらず普段の街乗りも難なくこなせる。そうした驚くべき二面性を常に実現してきたベントレーが放つ新型2ドアPHEVのGTは、びっくりするほどハンドリングが痛快だった。(文:西川 淳 写真:ベントレーモーターズジャパンMotorMagazine 2024年12月号より)

歴代最高のハンドリング。痺れる中間加速のフィール

ラウンドアバウトをいくつか抜けて危惧していたことが杞憂であったと知った。プラグインハイブリッド化によって重量がかなり増し、得意科目では決してなかったハンドリング性に悪影響を与えているのでは?と思っていた。ところがどうだ。車重が増えてしまったことなどまるで気にならない、素直な旋回フィールをみせる。

画像: 電動ソフトトップを備えるオープンモデル、2ドアのGTCもクーペのGTと同等の見事な走り味を楽しませてくれた。

電動ソフトトップを備えるオープンモデル、2ドアのGTCもクーペのGTと同等の見事な走り味を楽しませてくれた。

サスペンションシステムの働きもさることながら、バッテリーを後方に配置し前後重量配分を改善したことも大きいだろう。

ワインディングロードでも4WDの大柄なボディであることを忘れてしまうほどの走りを見せた。運転フィールはFRのスポーツカーそのもので、過去3代とはまるで違う。コンチネンタル史上、最高のハンドリングマシンだ。

アクセルペダル開度75%、最大140km/hまでBEV走行だ。Bモードではそれを最大限に生かそうとするし、電動性能そのものにも不満はまるでない。とはいえエンジン好きとしては、新開発のV8ツインターボエンジン+モーターの実力を試したくてたまらない。ドライブモードをスポーツに変えると途端にV8クロスプレーンエンジンに特有の野太いサウンドが響く。爆音ではないが、乗り手の心を躍らせる豊かな音だ。

画像: 立体的な造形が実現されたスピード専用キルティングをシートとドアに採用。傑出したクラフトマンシップの成果だ。

立体的な造形が実現されたスピード専用キルティングをシートとドアに採用。傑出したクラフトマンシップの成果だ。

1000Nmという莫大な最大トルクと、4WDシステムの生み出す加速フィールがとにかく印象的だった。とくに痺れたのが中間加速のフィール。重量バランスの良さがここでも効いていて、アクセルペダルを踏み込んだときの車体の反応がもはやベントレーとは思えないほどに俊敏だ。そして速度が上がれば上がるほど、車体が小さく軽くなっていく。

加速と並んで感心したのはタフなコンポジットブレーキだった。強めのブレーキングでも重さを余計に感じさせない。もちろん姿勢も安定している。しかも実にコントローラブル。それゆえ曲がり終えてからの加速も思いのままだ。

とうとう最後までBモードに戻ることはなかった。峠道をこれほど真剣に楽しめたベントレーは初めてだ。もちろん高速クルージングの安定感も素晴らしく、GT性能の高さは相変わらずであったがそのことを書き忘れてしまいそうになるくらい、スポーツカーとしても上等な走りをみせてくれた。

画像: GTCがそこはかとなくクラシカルさを漂わせるのに対して、クーペスタイルのGTにはモダンさを覚える。

GTCがそこはかとなくクラシカルさを漂わせるのに対して、クーペスタイルのGTにはモダンさを覚える。

画像: 重厚感あるテイストながら先進性も表現するインテリア。ディスプレイの組み込み方も巧みで、そこに一体感がある。

重厚感あるテイストながら先進性も表現するインテリア。ディスプレイの組み込み方も巧みで、そこに一体感がある。

【コンチネンタル GT スピード 主要諸元】

●Engine 種類:V8DOHCツインターボ 総排気量:3996cc ボア×ストローク:86.0×86.0mm 圧縮比:9.7 最高出力:441kW(600ps)/6000rpm 最大トルク:800Nm/2000-4500rpm 燃料・タンク容量:プレミアム・80L ●Motor & Battery リアモーター 最高出力 kW(ps)140kW
(190ps) リアモーター 最大トルク:450Nm EV走行可能距離:81km 駆動用電池種類:リチウムイオン 総電力量:25.9kWh ●Total Performance システム最高出力:575kW
(782ps)WLTPモード燃費:9.7km/L CO2排出量:29g/km●Dimension&Weight
 全長×全幅×全高:4895×1966×1397mm ホイールベース:2851mm トレッド 前/後:1672/1664mm ラゲッジルーム容量:260L 車両重量:2459kg ●Chassis 駆動方式:4WD トランスミッション:8速DCT ステアリング形式:ラック&ピニオン サスペンション形式 前:ダブルウイッシュボーン・後:マルチリンク ブレーキ 前:Vディスク・後:Vディスク タイヤサイズ 前:275/35R22・後:315/30R22 ●Performance 0→100km/h加速:3.2sec 最高速:335km/h

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