電動化への移行を見据えて登場した現行2代目
初代XC90は乗用車ベースのSUVの先駆けとして2002年に登場するや世界的に大ヒット、以来、進化を続けながら「ボルボのフラッグシップSUV」として2014年まで好調な販売を続けるロングセラーとなった。
現行XC90は2014年に2代目として登場。巨額を投じて開発されたアーキテクチャー「SPA1プラットフォーム」を採用し、電動化への移行を見据えたデザインや未来的要素も大きな話題となった。
スカンジナビアンテイストを前面に打ち出したインテリアや快適な乗り心地、高い安全性能などが高く評価され、世界各国で数多くのアワードを受賞した。
2020年にすべてのモデルの電動化を完了したボルボは2030年以降すべての新車販売をEVとするとしていたが、各国市場の電動化の進み具合、インフラの普及率、ユーザーのニーズなどから従来の計画を撤回して話題となっている。
とはいえ完全な電動化という長期的な目標に変わりはなく、「2030年までに世界販売台数のうち90%以上をBEVとプラグインハイブリッドとし、残り10%をマイルドハイブリッドとする」方向に軌道修正している。それに伴い大きな注目が集めているのがこの新型XC90だ。将来の完全な電動化に向けた新たな道筋を探る重要なモデルとして開発された。
将来の電動化に向けた新たな道筋を探るべく大幅に改良
パワートレーンは新たに開発された2L直4ミラーサイクルエンジンを採用したマイルドハイブリッドのB5 AWD、T8 AWD プラグインハイブリッドの2つをラインナップ。ユーザーのニーズに応じて選択できるように設定されている。
またB5 AWDのサスペンションには新しいダンパーが標準装備され、T8 AWD プラグインハイブリッドにはエアサスペンションが装備される。
エアサスペンションは路面や車両の動きを1秒間に500回モニターするアクティブシャシと連動し、道路と走行条件に合わせて最適な車高を保ち、ダイナミックな走りと洗練された乗り心地を両立する。また、どちらも車体の一部に遮音材を追加し、風切り音やロードノイズをさらに低減し静粛性を向上させている。
デザインにも未来的な指向が盛り込まれ、2方向から伸びる斜線が重なり合うグラフィカルなパターンを取り入れたフロントグリル、マトリックスデザインLEDでスリムになったトールハンマーヘッドライト、彫刻的なボンネットや改良されたフロントバンパーなど、新しいデザイン要素やEVのEX90に共通するイメージが加えられた。